2009.09.17

パテサロボットはサイト編集者の夢を見るか?

パテントサロンについて読者の方から質問を受けることがあります。その中で最も多いのが,「サイトに載せている情報はどうやって集めているのか?」という質問です。

情報の収集方法については,弊社の最も重要な機密事項なので回答することはできないのですが,ほんの一部だけ紹介すると,あるソフトウエア会社と共同で開発したオリジナルの知財情報収集ソフトを使っています。このソフトを使うと,ネット上に公開されている最新の知財ニュースはもちろん,関連する過去のニュースやプレスリリースなども自動的に収集されます。そして収集された情報は,時系列順などで見やすく整理された後,自動的にサイトに掲載されます。このような方法でサイトを更新しています。ちなみに,この知財情報収集ソフトが有する,特定のニュースに関連する過去のニュースを集める技術については,日米で特許を出願しています。

というのは全くウソで(特許出願もウソ),全て人間(=私)が人力でやっています。秘密にするような特別な手段は使っていません。RSSリーダー等も特に使っておらず,知財系のニュースが掲載されていそうなサイトを手動で巡回し,記事を読んで紹介したいと思ったものをサイトに書き込んでいます。

ソフトなどによる更新の自動化を考えないわけではありません。実際にいろいろ試してはいます。しかしなかなか思った通りの編集をしてくれるものはできませんね。今のところ,人間による編集の方がよさそうです。

自動化しない理由がもう一つあります(というよりこちらがメイン)。

もともとパテントサロンは,私がネット上に公開されているいろんなニュース等を読み,その中から気になるものを自分用にメモしていたのが始まりです。趣味ではじめた個人用スクラップブックです。

今始めるのだったら,間違いなくはてブなどソーシャルブックマークを使うと思うのですが,10年以上前にそのようなものはありませんでした。特に深く考えることなくサイトを作っていました。完全に自分用だったので,最初は「パテントサロン」という名前も付いていませんでした。

現在は自分のためだけに運営しているわけではありませんが,私自身がニュースを読みたいということにかわりはありません。自動化してしまっては,ニュースを読みたいという私の願望が満たされなくなってしまいます。これはおもしろくありません。プラモデル作りが好きな人は完成品をプレゼントされても嬉しくありません。

これらの理由で,人力で編集しています。

とはいっても,自動化にもいろんなメリットがあります。最も大きなものは速報性です。人力の場合,編集者がパソコンの前にいないときには,サイトは更新されません。こうやってブログを書いているときも更新されません。知財系オフ会で飲んでいるときも更新されません(実際は飲み屋で更新することもよくありますが)。しかし,自動化していればいつでも更新されます。

このような自動化のメリットを鑑み,自動でニュースを収集し,紹介するコーナーをパテントサロンの中に作りました。パテサロボットコーナーです。


パテサロボット βversion 知財系ニュース(日本語)
http://www.patentsalon.com/robot/
パテサロボット βversion 知財系ニュース(英語)
http://www.patentsalon.com/robot/news_en.html


パテサロボットは,検索エンジン等を使って知財関連ニュースを集めて紹介しています。過去のニュースや関連するプレスリリースなどを合わせて紹介することはできませんし,ときには筋違いのニュースを紹介することもありますが,速報性はある程度期待できると思います。

ニュースを集める方法については,継続的に調整していきます(だからβ version)。網羅性を高めようとするとノイズも多くなってしまいます。試行錯誤を続けて,より役に立つニュースを紹介できる様にしていきます。

パテサロボットと人力のパテントサロンは,全く独立して編集作業を行っています。従って,両方で紹介されるニュースもあれば,どちらか一方でしか紹介されないニュースもあります。

また,パテサロボットコーナーには,日本語のニュースの他,英語のニュースを紹介するコーナーもあります。これは人力の方にはありません。

さらに,今後の予定として,ブログ記事,twitterのつぶやきを紹介するコーナーをオープンする予定です。現在,どのような内容を紹介するか,検討・調整中です。

また,広告(Google AdSense)を付けてみました。編集者であるパテサロボットが自分の生活費(サーバ費用)を自分で稼ぐことができたらおもしろいなぁ,と考えて付けたもので,パテサロボットががんばってよい情報を紹介できるようになれば,たくさんの人が見に来てくれて,それによって売り上げが増えるかもしれない,という状況を想定しています。がんばれパテサロボット! 目指せ自活!

ということで,パテサロボットおよびパテントサロンを,今後ともよろしくお願いいたします。

私もパテサロボットに負けないようにしっかり編集していかなければ。これってライバル!?

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