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2009年6月の7件の記事

2009.06.30

選挙と確定申告と私的録音録画補償金制度とtwitter

選挙ではいつも,誰が当選するかよりも投票率の方が気になります。社会や国に対する関心が高い人は投票に行くはず。私は,社会や国に対する関心が高い人が多いほどよい社会・国であり,投票率が高い=国力が高いと考えています(もちろん正しく選挙が行われているということが前提)。

投票率を上げるためにはどうするか? 正確には,投票率が高い状況にするにはどうするか? 「さあみんなで投票に!」というCMをネットやテレビでやたらと流してもいいのですが,やれ行けそれ行けと尻をたたいてもなかなか人は動くものではありません。「選挙に行きたい」,「選挙に行かねば」と感じてもらう方法がよいと思います。「北風と太陽」の太陽的なやり方です。


そこで思うのが,国民全員確定申告制度です。一般的なサラリーマンの場合,所得税は給与から源泉徴収されています。だからいくら納めているのか実感しにくい。もちろん明細には書かれているのだけれど,結局毎月実感するのは手取りの額です。

しかも,年末調整で少しお金が振り込まれたりすると「ラッキー,ありがとう」と思ったりしてしまいます。納めすぎたものが戻ってきただけなのに。

実際はどうであれ,手元を行き来する現金は実感しやすく,その影響は大きいのです。

確定申告にすると,一度払われた給与から自ら税金を計算して振り込むことになります。手元のお金が減っていくというのは効果的で,税金を払っているという実感度はぐっと高くなります。払う額は源泉徴収の場合と同じなのに,気持ち的には全く変わってきます。

そんな気持ちで政治のニュース,特に税金の使われ方に関するニュースを見ると,「そんなことに使うのか」とか「その案はなかなかいい」と感じる度合いは一気に上がります。そして社会に関心を持ち,選挙に行こう!につながるのです。

確定申告の計算や手続きが大変というならば,今まで通り源泉徴収額を会社が計算してもかまいません。その上で,一度源泉徴収分も含めて全額を給与口座に振り込み,その後,各個人が源泉徴収分を税務署に振り込むようにします。これでもしっかり実感できます。現在よりも間違いなく手間がかかりますが,現在よりも間違いなく税を実感できます。


話は変わって知的録音録画補償金制度です。私たちの中にも補償金を払っている人がいるわけですが,自分がいくら払っているか知っている人は少ないと思います。私も払っていることは間違いありませんが,いくら払っているのかは知りません。

知的録音録画補償金制度については,制度の運用について長い間揉めています(関連ニュース: パテントサロン トピック 私的録音録画補償金制度)。

これらのニュースを見ていると,実際に払っているユーザ(私たち)の意見はあまり出ていないように感じます。なぜ出ていないのか? 払っていることを実感していないからだと思います。これも確定申告の場合と同じように,払っていることを実感できるようにすると,新たな進展があるように思います。

たとえば,値札をこのようにします(数字は適当。調べるのに時間がかかりそうだったから)。

   CD-R 音楽用 10枚
   税込 1050円
   (消費税:50円)
   (補償金:15円)

こうすれば,いくら補償金を払っているのか実感することができます。これを見ると,「知らないうちにこんなのとられていたんだ」とか「こんなに安くていいの?」とか「このお金どこに行っているの?」という話につながり,補償金制度に関心を持つ人が増え,そうなると政治家が動き出したり投票に行く人が増えたりする。このように考えています。


話はさらに変わってtwitterです。最近,日本でも政治家がつぶやき始めました。

日本の政治家もTwitter活用 国会を“生中継”
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/18/news019.html
衆議院議員 逢坂誠二 (seiji_ohsaka) on Twitter
http://twitter.com/seiji_ohsaka
はしもとがく (ga9_h) on Twitter
http://twitter.com/ga9_h

私は現時点で特に両議員を応援しているわけではないのですが(それどころか今までよく知りませんでした。失礼>両議員),政治家のつぶやきは生々しくて興味が持てます。読んでいておもしろい。政治に対する実感度が上がります。実感度が上がると投票に行きたくなる人が増えるでしょう。

現在の法律では,選挙期間中は立候補者のサイトを更新できないとかブログを書くことができないなどの制限があります。そして,この制限を無くしたりネットで投票できるようにしようという議論があります。

私は,選挙期間中もサイトを更新できた方がよいとは思いますが,できなくても十分効果的に活用できると考えています。選挙期間になって急にネットで発言しだしても,実感度は上がらないかもしれません。場合によっては嘘くさく宣伝っぽく感じてしまう。

それよりも,政治家であるならば,あるいは政治家になろうとしているのであれば,日頃から市民国民に政治や社会を実感させることの方が圧倒的に効果的だと思います。それは今すぐ今日から可能です。しかも無料で。

そんな中,残念だと思ったのは,上のニュースが出たときに,これで日本でも多くの政治家がtwitterを使い始めるだろう,と思ったのに動きがなかったことです。私が把握し切れていないだけだったらいいのですが。


投票率はもっともっと着目されるべきだと思います。国民の政治に対する関心の低下は社会や国の危機です。いろんな人がそれぞれの立場で,物事を実感してもらおうという動きをすることが大切だと考えています。


※関連エントリー
 選挙と投票率と確定申告(2005/9/8)
 http://cytech.way-nifty.com/blog/2005/09/post_d96d.html
 選挙とネットと一次情報(2005/9/8)
 http://cytech.way-nifty.com/blog/2005/09/post_c5ad.html
 ネットと選挙運動(2004/6/26)
 http://cytech.way-nifty.com/blog/2004/06/post_4.html

追記:
このエントリーは,今晩「Twitterと政治を考えるワークショップ」 というイベントが開催される予定で,このイベントの告知をtwitter経由で知ってこれはぜひ参加しようと思っていたところ,急ぎの仕事で油断しているうちに申し込みが殺到して一瞬で締め切られてしまって参加できなくなったので,悔し紛れに書いた次第です。ぜひどなたか会場からtsudaってください。UST中継しないかなぁ。

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2009.06.27

あみちゃんの最新情報

一昨日書いた★募金のお願い★ まおちゃんを救う会の中で,あみちゃんの最新情報について書きました。

また,「あみちゃんのサイトの最新情報(http://ami.heart.mepage.jp/new.htm)が1年ほど前から更新されていないけれど様子はどうですか?」というコメントをときどきいただきます。気にかけていただきありがとうございます。私もサイトに書かれている情報しか知らないのですが,新しい情報を知る機会がありましたら,またお知らせさせていただきます。
全く偶然なのですが,昨日,あみちゃんを救う会の最新情報のページが更新されました。あまりにもタイムリーでちょっと驚いてます。

あみちゃんの最新情報
http://ami.heart.mepage.jp/new.htm

あみちゃんは元気に過ごしているようですね。移植手術からもう4年も経ったのか。あみちゃんがんばってるなぁ。ご両親も。最新情報を読んでいると,感動するというか平常心ではいられませんね(今日は出社しているのは私だけなので他の社員を気にせずに読める)。

こうやってあみちゃんが元気に過ごせているのは,パテントサロンを見て募金してくださったみなさまのおかげでもあります。本当にありがとうございます。ありがとうございます。

そして,まおちゃんについてもご協力をお願いいたします。

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2009.06.25

★募金のお願い★ まおちゃんを救う会

知財系オフ会で以前お会いした弁理士の方からメールをいただきました。告知の依頼です。

わたしの友人の知り合いのお子さんが重い心臓の病気のため、アメリカで心臓移植の手術をしなければならないそうです。

そのための費用が高額であり、現在、募金を多くの方にお願いしている最中です。

※関連リンク
 ご協力お願いします
 http://blog.livedoor.jp/yukuyu689/archives/51945220.html
 まおちゃんを救う会(PC版サイト)
 http://www7.plala.or.jp/maochanV/
 まおちゃんを救う会(携帯版サイト)
 http://www7.plala.or.jp/maochanV/m/

サイトにアクセスして賛同された方は,ぜひ募金をお願いします。私も先ほど振り込みました。


2005年2月,このブログで同様の募金をお願いしたことがあります。

お願いします。あみちゃんを救いたいのです。
http://cytech.way-nifty.com/blog/2005/02/post_1.html

このときは,本当に多くのみなさんにご協力をいただきました。ありがとうございます。あみちゃんを知っているわけでもないのに,パテントサロンの読者だからという理由で募金していただいた方もたくさんいらっしゃいます。本当に感謝です。街頭募金をしている場所までわざわざ来ていただいた方も何人もいらっしゃいました。本当にありがとうございます。いま思い出すだけでかなり感動してます(社員に顔を見られるのが恥ずかしい)。関連記事の一覧はこちら→ http://cytech.way-nifty.com/blog/04/

あれからもう何年も経つのに,いまだにオフ会やイベントなどで,かなり頻繁に「あみちゃんよかったね」という話をいただきます。本当にありがとうございます。イベントで初めて会った人とあみちゃんの話をしながら大勢の人の前で2人で泣きそうになったこともありました(ああ恥ずかしい)。

また,「あみちゃんのサイトの最新情報(http://ami.heart.mepage.jp/new.htm)が1年ほど前から更新されていないけれど様子はどうですか?」というコメントをときどきいただきます。気にかけていただきありがとうございます。私もサイトに書かれている情報しか知らないのですが,新しい情報を知る機会がありましたら,またお知らせさせていただきます。


さあ今度はまおちゃんです。みなさんのご協力をお願いいたします。


【21:31 追記】
※関連ニュース

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2009.06.11

twitter。あなたの会社は社名アカウントを押さえているか?

昨日,朝日新聞社がtwitterを開始しました。

朝日新聞がTwitter開始
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/10/news043.html
朝日新聞社が「Twitter」開始、日本対カタール戦を中継
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/10/23744.html
asahi (asahi) on Twitter
http://twitter.com/asahi/

twitterが急速な勢いで広まっています。米国では,大統領選挙から新型インフルエンザまで,個人や民間企業のみならず,公的機関まで積極的に活用しています(情報を伝えることに対する米国の積極性はほんとすごい)。

このような状況を見て,それでは我が社もtwitterで何かやってみよう,となったときに,まず最初にすることがアカウントの取得です。そしてここで問題なのが,アカウントの取得は早い者勝ちであることです。ドメイン名と同じです。

朝日新聞社は「asahi」というアカウントを使っています。URLにも「asahi」が入っています。twitterを利用するにあたり,アカウント名は非常に大切です。

自社名,商品名,サービス名などで,いざアカウントをとろうとしたときに,すでに誰かにとられていたら困ってしまいます。

何か手はあるかもしれません。アカウントを持っている人と交渉するとか,twitterにお願いして何とかしてもらうとか。今のところ,ドメイン名と商標権の場合のような裁定制度はありません。twitterはただの一民間企業のサービスですから。

いずれにしてもかなり面倒です。ということで,欲しいアカウント名,使う可能性があるアカウント名は,今すぐ押さえておきましょう。

しかしこの類のものがたくさん出てくると大変ですね。ネットサービスの多くはアカウントをとる仕組みになっていて,しかもその多くは先着順です。twtterはすぐに押さえるとして,他のサービスはどうするか? サービスはたくさんあるし,これからもたくさん出てきます。

対策としては,今のところ,可能性があるものは全てすぐに押さえる,が正しいように思います。

そのうち,ドメイン名の裁定制度のように,何かよい解決策が定着してくる可能性はあると思います。少し異なりますが,なりすまし対策として認証の実験が行われているようです(http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2009/06/08/23702.html)。

しかし現状では,やるべきことは,欲しいアカウント名をチェックして空いていればすぐに押さえることです。最も簡単で,もっとも効果的な対策です。

いま,新しい商品やサービスを企画するときには,商標チェック,ドメイン名チェック,twitterチェックくらいは,最低やっておくべきですね。

ネットではいろんなことが急速に変化しています。知財担当者がいろんな情報にアンテナを張っておくことは,ますます重要になっていきます。がんばりましょう。

追記:
確か「asahi」は,以前は非公式アカウントで,asahi.comに掲載されたニュースを自動でつぶやくアカウントとして「誰か」が使っていたと思います。一時フォローしていたのですが,あまりにもつぶやきが多くてフォローやめてしまい,その後どうなったのか知りません。「誰か」と朝日新聞社とtwitterの間で交渉などがあったのでしょうかね。
 

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2009.06.08

知財系オフ会@福岡 【開催案内・参加者募集】

先日予告しましたとおり,福岡で知財系オフ会を開催します。

  ■日時:2009年6月21日(日)18時~
  ■場所:福岡 天神

基本的に単なる飲み会です。知的財産に多少でも関心がある方でしたら,どなたでも参加することができます。性別年齢職業国籍など一切問いません。福岡・九州以外からの参加も歓迎です。昨年のオフ会に参加された方ももちろんOKです。気軽にご参加ください。

飲み会といっても,お酒を飲まなければならないなんてことはもちろんありません。飲まない方も気軽にどうぞ。

参加を希望される方は,下記連絡先までご連絡ください。

  ■連絡先:info@patentsalon.com
  ■連絡事項:氏名,所属(勤務先名,学校名など),コメント(任意)
  ※申込締切日時:2009年6月15日(月)17時

1人でも参加者がいれば開催します。参加者が1人もいなかった場合は,例によって私1人で中州の夜を堪能させていただく予定です。へっへ。

また,当日参加された方で,知財系SNS ipippiへの登録を希望される方には,ipippiへの招待状を送らせていただきます。ipippiへの登録を目的に参加されてもかまいません。

今回は,予告に書いたとおり,前回「参加したいのだけれどちょっと遠いので平日の夜だと難しい。土日だったら行けるのに」という声を何人かの方からいただいたので,日曜日に開催してみることにしました。だからといって「私は去年土日を希望したから今回参加しなければ悪いかも」なんて心配は不要です。気が向いて都合がつく方,気軽にお越しください。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

※関連記事
 知財系オフ会@福岡 開催しました
 知財系オフ会@福岡の予告

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2009.06.04

【御礼】日刊知財 2000号

本日,パテントサロンが配信しているメールマガジン「日刊知財」が,通算2000号を迎えました。

ここまで何とかやってこられたのも,みなさまのおかげでございます。ありがとうございます。とても感謝しています。本当にありがとうございます。

今週月曜日が創業10周年で,今日が日刊知財 2000号。同じ週に2つの記念日を迎えるなんて,ちょっと不思議な気がしています。

日刊知財 1号の配信は,2002年1月10日です。それまではwebサイトだけで情報を紹介していました。しかし,情報を広く紹介するためにはいろんな媒体を使った方が効果的だと考え,メールマガジンを配信しようと考えるようになりました。

メールマガジンを配信するとして,どんな内容を配信するのか? 月刊にするのか週刊にするのか? いろいろ考えました。最初は,1週間分のニュースをまとめて毎週日曜日に週刊で配信するという案が有力でした。しかし,1週間分のニュースをまとめること,つまり編集するということは,編集者の考えが入りやすくなります。これは,公開されている情報をそのまま素材的に紹介したいというパテントサロンの趣旨から外れることになります。結局廃案になりました。

いろいろ検討した結果,前日公開されたニュースのタイトルを日刊で紹介する現在のスタイルに決まりました。

そして,大切なのがメールマガジンの名称です。これもいろんなアイディアがあったのですが,「日刊知財」が浮かんだときに即決しました。この名称,本当に気に入っています。

こうやって日刊知財はスタートしました。


これまで2000号配信してきたわけですが,いくつも想い出があります。存続の危機も何度かありました。

最大の危機は,配信を開始した直後に訪れました。スタートした2002年1月,ちょっと大きめの風邪をひきました。扁桃腺が腫れ,40度を超える熱が数日間続きました。それでもパテントサロンの編集や日刊知財の配信は普通に行っていたのですが,次第に症状が悪くなってきました。扁桃腺の腫れがどんどん大きくなり(そして真っ白になった),右の扁桃腺と左の扁桃腺がくっついて呼吸が苦しくなってきたのです。

さすがにこれはやばそうだということで,知人が車で病院に運んでくれました。そしてそのまま即入院となりました。

症状自体は抗生剤を点滴したらすぐに治り問題なかったのですが,様子を見るために1週間ほど入院することになりました。これは大きな問題です。パテントサロンの編集と日刊知財の配信はどうしよう? スタートしたばかりの日刊知財,配信を止めるわけにはいきません。う~ん,困った。

ノートPCと携帯電話は用意したのですが,病院内で携帯電話を使うわけにはいきません。かといって,公衆電話の脇で数時間も仕事しているところが見つかるのもまずい。

そこで私は,毎晩午前2時頃(前日のニュースが一通り出そろう時刻),コートを2枚羽織り(1月ですから),ノートPCと携帯電話を持って点滴をガラガラと引きずりながら病室を抜け出し,病院の外に出てパテントサロンの更新と日刊知財の配信予約を行いました。これなら全く問題はありません。

と思ったのですがやはり問題はあって,夜中の外出が看護婦さんに見つかって,みっちりと怒られてしまいました。そしてその日以降,仕方がないから夜中に公衆電話を使ってもいいからそこでやりなさい,明かりもつけてあげるから,ということになりました(看護婦さんすみません。ありがとうございます)。


他に大きく記憶に残っているのは,中村修二裁判の中間判決が出たときです。この日,私は裁判所で傍聴していました。

中村裁判はそれまでも何度か傍聴していたのですが,中間判決が出される当日,裁判所に電話で聞くと,この日は傍聴希望者が多いので傍聴は抽選になるとのことでした。抽選か...

私はどうしても傍聴したかったので,再び裁判所に電話しました。「私はパテントサロンというサイトで知的財産に関する情報を紹介する仕事をやっています。今回の裁判をぜひ傍聴したいのですが,何か方法はありませんか?」。すると「わかりました。こちらで検討して連絡します。サイトのアドレスを教えてください」と言われました。おっ,これは見込みがあるのか?

その後しばらくして裁判所から連絡があり,なんと報道席を用意してもらえることになりました。あの白いカバーが掛かっている席です。私は報道用の腕章を受け取り,それをつけて報道席で傍聴しました。

そして判決が言い渡された直後,裁判所のロビーから,速報として日刊知財の号外を配信しました。配信した日刊知財がこちらです。

Date: Thu, 19 Sep 2002 15:30:00 +0900 (JST)
Subject: 日刊知財 231 号
 
 2002/09/19-2

■【速報】中村特許は職務発明 権利は日亜に帰属
  引き続き相当の対価の審理へ


他にもいろんなことがありましたが,いずれにしても,継続できているのはみなさまのおかげです。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。


そして,次の大きな記念日は,2010年4月10日のパテントサロン10周年です。まずは,この日を迎えられるように,しっかり継続していきたいと考えています。
 

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2009.06.01

【御礼】創業10周年 ~創業の経緯~

1999年6月1日,私はそれまで勤めていた株式会社リコーの知財部門を辞めて起業しました。

今日は創業10周年の記念日です。ここまで何とかやってこられたのも,みなさまのおかげでございます。ありがとうございます。とても感謝しています。本当にありがとうございます。

起業した当初は,特許事務所や中小企業などを対象としたITサポート・コンサルティング業が主な仕事でした。

起業する前,まだリコーにいた頃,関係のある特許事務所や翻訳事務所がITで困っている状況をよく目にしていました。私はたまたまIT系が少し得意だったので(といっても趣味でPCを組み立てて遊んでいた程度),会社の命令で,困っている事務所にときどき行って,IT関連のサポートをしていました。

事務所でトラブルを解決したり新しいシステムを導入したりすると,とても喜ばれました。それほど大したことはやっていないのですが,非常に感謝されました。私はとても嬉しくて,何度かやっているうちに快感になってしまいました。

相手は喜び自分は快感。これっていいじゃん。次第にこの仕事を本格的にやりたくなってきました。

そしてある日,上司に話しました。「特許事務所のITサポートを専任でやらせて欲しい。朝から晩まで特許事務所を回ってサポートします」。返ってきた返事は「それはできない。あなたは特許担当者です。特許実務をしっかりやってください」。そりゃそうだ。もっともな回答でした。

しかしあの快感は何とも捨てがたい。そして多くの事務所がITで困っている。何とかしたい。でも会社ではそれができない。じゃあ会社辞めて自分でやるか?

ということで起業しました。

起業した当初から,いくつか仕事をいただくことができました。上述したような経緯で起業したので特にねらったわけではないのですが,起業した1999年はちょうど2000年問題が大きな話題になっていました。トラブルの発生を心配する特許事務所などから問い合わせをいただき仕事につながりました。また,それがきっかけでいくつか顧問契約をいただくこともできました。2000年問題バンザ(以下自粛)。

リコーからもたくさんの仕事をいただきました。応援してくださった方もたくさんいらっしゃいました(参考:通夜,告別式に参列)。心からとても感謝しています。

リコーの方以外にも,多くの方に声をかけていただいたり,紹介していただいたりしました。みなさま本当にありがとうございます。事業が継続できているのはみなさまのおかげです。

ところで,起業した当時,パテントサロンはまだ生まれていませんでした(受精卵くらい)。パテントサロンの誕生についてはまたそのうちに。

みなさま,本当にありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

※参考
 会社案内
 http://www.patentsalon.com/aboutus/company.html
 社名の由来
 http://cytech.way-nifty.com/blog/2009/01/post-b803.html
 

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