2009.06.04

【御礼】日刊知財 2000号

本日,パテントサロンが配信しているメールマガジン「日刊知財」が,通算2000号を迎えました。

ここまで何とかやってこられたのも,みなさまのおかげでございます。ありがとうございます。とても感謝しています。本当にありがとうございます。

今週月曜日が創業10周年で,今日が日刊知財 2000号。同じ週に2つの記念日を迎えるなんて,ちょっと不思議な気がしています。

日刊知財 1号の配信は,2002年1月10日です。それまではwebサイトだけで情報を紹介していました。しかし,情報を広く紹介するためにはいろんな媒体を使った方が効果的だと考え,メールマガジンを配信しようと考えるようになりました。

メールマガジンを配信するとして,どんな内容を配信するのか? 月刊にするのか週刊にするのか? いろいろ考えました。最初は,1週間分のニュースをまとめて毎週日曜日に週刊で配信するという案が有力でした。しかし,1週間分のニュースをまとめること,つまり編集するということは,編集者の考えが入りやすくなります。これは,公開されている情報をそのまま素材的に紹介したいというパテントサロンの趣旨から外れることになります。結局廃案になりました。

いろいろ検討した結果,前日公開されたニュースのタイトルを日刊で紹介する現在のスタイルに決まりました。

そして,大切なのがメールマガジンの名称です。これもいろんなアイディアがあったのですが,「日刊知財」が浮かんだときに即決しました。この名称,本当に気に入っています。

こうやって日刊知財はスタートしました。


これまで2000号配信してきたわけですが,いくつも想い出があります。存続の危機も何度かありました。

最大の危機は,配信を開始した直後に訪れました。スタートした2002年1月,ちょっと大きめの風邪をひきました。扁桃腺が腫れ,40度を超える熱が数日間続きました。それでもパテントサロンの編集や日刊知財の配信は普通に行っていたのですが,次第に症状が悪くなってきました。扁桃腺の腫れがどんどん大きくなり(そして真っ白になった),右の扁桃腺と左の扁桃腺がくっついて呼吸が苦しくなってきたのです。

さすがにこれはやばそうだということで,知人が車で病院に運んでくれました。そしてそのまま即入院となりました。

症状自体は抗生剤を点滴したらすぐに治り問題なかったのですが,様子を見るために1週間ほど入院することになりました。これは大きな問題です。パテントサロンの編集と日刊知財の配信はどうしよう? スタートしたばかりの日刊知財,配信を止めるわけにはいきません。う~ん,困った。

ノートPCと携帯電話は用意したのですが,病院内で携帯電話を使うわけにはいきません。かといって,公衆電話の脇で数時間も仕事しているところが見つかるのもまずい。

そこで私は,毎晩午前2時頃(前日のニュースが一通り出そろう時刻),コートを2枚羽織り(1月ですから),ノートPCと携帯電話を持って点滴をガラガラと引きずりながら病室を抜け出し,病院の外に出てパテントサロンの更新と日刊知財の配信予約を行いました。これなら全く問題はありません。

と思ったのですがやはり問題はあって,夜中の外出が看護婦さんに見つかって,みっちりと怒られてしまいました。そしてその日以降,仕方がないから夜中に公衆電話を使ってもいいからそこでやりなさい,明かりもつけてあげるから,ということになりました(看護婦さんすみません。ありがとうございます)。


他に大きく記憶に残っているのは,中村修二裁判の中間判決が出たときです。この日,私は裁判所で傍聴していました。

中村裁判はそれまでも何度か傍聴していたのですが,中間判決が出される当日,裁判所に電話で聞くと,この日は傍聴希望者が多いので傍聴は抽選になるとのことでした。抽選か...

私はどうしても傍聴したかったので,再び裁判所に電話しました。「私はパテントサロンというサイトで知的財産に関する情報を紹介する仕事をやっています。今回の裁判をぜひ傍聴したいのですが,何か方法はありませんか?」。すると「わかりました。こちらで検討して連絡します。サイトのアドレスを教えてください」と言われました。おっ,これは見込みがあるのか?

その後しばらくして裁判所から連絡があり,なんと報道席を用意してもらえることになりました。あの白いカバーが掛かっている席です。私は報道用の腕章を受け取り,それをつけて報道席で傍聴しました。

そして判決が言い渡された直後,裁判所のロビーから,速報として日刊知財の号外を配信しました。配信した日刊知財がこちらです。

Date: Thu, 19 Sep 2002 15:30:00 +0900 (JST)
Subject: 日刊知財 231 号
 
 2002/09/19-2

■【速報】中村特許は職務発明 権利は日亜に帰属
  引き続き相当の対価の審理へ


他にもいろんなことがありましたが,いずれにしても,継続できているのはみなさまのおかげです。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。


そして,次の大きな記念日は,2010年4月10日のパテントサロン10周年です。まずは,この日を迎えられるように,しっかり継続していきたいと考えています。
 

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