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2007年9月の2件の記事

2007.09.18

「定例チャットミーティング in セカンドライフ」のお知らせ

パテントサロンでは,セカンドライフ上で,定期的にチャットミーティングを開催しています。パテントサロンの読者であれは,どなたでも参加することができます。

■定例チャットミーティング in セカンドライフ
 ・日時:毎週木曜日 22:00-22:30
 ・場所:JPL KANAGAWA 218,30,24
 ・参加資格:パテントサロンの読者
セカンドライフ上に土地を買ったという記事を書いてから,読者の方から「行ってみたけれど椅子が並んでいるだけで誰もいなかったよ」というメールをいただくようになりました。

そこで,日時を決めれば人と出会う確率が上がるはずだ,という理屈に基づいて企画したのが,このチャットミーティングです。

このチャットミーティングでは,特にテーマを決めたりしているわけではなく,そのとき集まった人が自由気ままに会話しています。知財に関することしか話してはならない,なんてこともありません。

決まっているのは時間と場所だけで,毎回そのときにならなければ,何人集まるかも誰が来るかも分かりません。ひとりも来ないこともあります。パテントサロン編集部のスタッフも,毎回必ず参加するというわけではなく,参加することもあれば参加しないこともあります。

誰が来るかは分かりませんが,集まってくるのはパテントサロンの読者であり,知的財産に関心がある方々です。この場で出会い,気軽に自由に会話を楽しむことができます。

興味がある方は,上記日時・場所に,気軽にお越しください。途中参加・途中退出も自由です。セカンドライフ初心者の方や,これを機にセカンドライフに触れてみようという方も,お気軽にどうぞ。

このチャットミーティングを利用して,新たな出会い,コミュニティを楽しみましょう。
 
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■関連記事
 海沿いに土地を買いました。
 http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/07/post_388a.html
 パテントサロン inセカンドライフ
 http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/07/in_6e76.html
 セカンドライフでイベントやりました。
 http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/07/post_e2bc.html
 

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2007.09.09

ビジネスモデル特許権(?)を担保に融資(?)

私は特許実務の経験はありますが,お金のことはあまり詳しくないので(というよりむしろ苦手),特許権を担保に融資とか特許権の証券化などのニュースを見つけると,それをきっかけに勉強の意味も含めて関連情報を調べることがよくあります。

最近もそんなニュースがあったので,ちょっと調べてみました。ビジネスモデル特許を担保に融資したという記事です。


■記事1
ビジネスモデル特許権を担保に融資 商工中金(2007/9/6)
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20070906/200709060828_2757.shtml
■記事2
商工中金、ビジネスモデル特許担保に融資・岐阜の花卸会社に(2007/9/8)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070908AT2C0701G07092007.html
■商工中金の発表
株式会社ジャパンプランツに対し、知的財産権を担保に融資
~商工中金で全国初の「ビジネスモデル特許(出願中)」担保融資~
http://www.shokochukin.go.jp/news/nl_gifu_20070905.html


これらのニュースでまず気になったのが,担保の対象となっているのは「特許出願」なのか「特許権」なのかという点です。

記事1では,タイトルはビジネスモデル特許権だし,記事の中にも「商工中金がビジネスモデル特許権を担保とするのは初」という記述があるので,最初は「特許権」だと思ったのですが,「出願中のビジネスモデル特許権」という曖昧な記載や,「現在、特許を出願中」という記載もあり,だんだん「特許出願」が正しいような気がしてきました。

記事2では,「特許権」という言葉は一切出てきません。「出願中のビジネスモデル特許を担保に」とか「仕組みがビジネスモデル特許を取得できると判断し、融資を実行した」という記載もあり,担保の対象は特許出願であるように読めます。

次に商工中金の発表を見てみます。これは当事者が公開している一次情報です。これが最も信用できる情報であるはずです。

タイトルが「商工中金で全国初の「ビジネスモデル特許(出願中)」担保融資」となっています。「本件担保、ビジネスモデル特許出願中」という記載もあります。担保の対象は特許出願のようです。

一方で「知的財産権(ビジネスモデル特許権(出願中)、商標権)を担保として」とか「特許権の中でも「ビジネスモデル特許(出願中)」(※1)を担保として融資を行うのは」など,ちょっと微妙な表現もありますが,全体から見て,担保の対象は特許出願なのでしょう。

ということで,特許権ではなくて,特許出願が担保の対象になっているようです。


次に,対象の特許出願の内容を見てみることにしました。権利化前に担保になるくらいの出願です。これは大いに気になります。ということで特許電子図書館で検索してみたのですが,該当するものを見つけることができませんでした(特許検索をもう少し勉強しなければ...)。

そこで,もう1人の当事者,融資を受けた会社のサイトを見てみました。

ジャパンプランツ
http://www.japanplants.co.jp/home.htm

「特許登録 商標登録」というメニューがあるので,それを選択します。
http://www.japanplants.co.jp/touroku.htm

最も関係していそうな,上から2番目の「生花部門まるごとトラストシステム」をクリックします(「特許出願公開番号 特願2006-326761」という記述が気になりますが)。
http://www.japanplants.co.jp/tokyyo_t_TOP.htm

発明の内容は記事などに書かれているものと似ているようですが...ん? これって公開公報ではなくて出願明細書のコピー!?

サイトには「日本国特許庁 公開特許広報(原文まま)」と書かれてありますが,これは公開公報ではありませんね。しかも出願日が去年の12月なので,まだ出願公開されていないのではないだろうか。書かれてある出願番号を使って検索してみると,はやり該当するデータはありません。まだ出願公開前です。出願公開前の出願の内容を自ら公開しているのです。


担保の対象がこの出願であるとの確認は取れていないし,第三者があずかり知らない事情があるのかもしれません。記事などによると商標権も担保の対象に含まれています。しかし,仮にこの出願が担保の対象になっているとすれば,出願公開前に出願の内容がサイトで公開されたりプレスリリースで流されたりした未だ権利化されていない特許出願を担保に融資が行われたことになります。特許出願にではなく,事業に対して運転資金を1,000万円融資した,に近いのかもしれません。


日々公開されているニュースも,ちょっと調べてみると,それなりに奥が深いことがときどきあります。
 

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