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2007.05.03

タネが公開されている手品の価値

「必要以上に種明かしされた」手品師49人がTV局提訴
http://www.asahi.com/life/update/0501/TKY200705010382.html

この記事で気になったのが以下の記述。

手品の種の著作権については文章の形で記述したり、特許申請をしたりするなどして保護しようという試みがある。しかし、コインを使うような古い種は大半が知的財産権の保護期間を過ぎ、保護は困難なのが実情という。

「手品の種の著作権について特許申請をしたりする」の意味が不明である点とかはおいておくとして,仮に手品の種について特許権を取得できた場合のことを考えてみると,その手品を実施できるのは権利者である自分だけだけれど,発明の内容は公開されていて,手品の種はみんなが知っている,ということになる。

こんな状況にしようとする「試み」が,本当にあるのだろうか?

著作権については(私は著作権制度について素人です),そもそも手品の種は著作権の対象になるのだろうか? 手品の種が書かれた文章や記録された映像の複製が問題になるのはわかるが。


保護できない理由について「知的財産権の保護期間を過ぎ、保護は困難なのが実情」というのもよくわからない。

特許権について考えてみると,「保護期間を過ぎ」ということは,ある手品の種について過去に誰かが出願して権利を取得し,その後その権利期間が終了したという意味だろうか? そして,この権利期間が終了した特許権について,再度保護を求めようということなのだろうか?

著作権については,ある手品の種の著作者が死亡して50年以上が経過したということをいっているのだろうか?

いずれにしても,特許権や著作権についていえば,保護期間が過ぎたものについて保護が困難なのはあたりまえである。というよりむしろ,保護してはいけないのである。それらが所定の期間を超えて保護されることは,産業の発達や文化の発展という各制度の目的に反してしまうことになる。保護と利用のバランスが制度のポイントなのだ。


それはともかく,手品師の方々にとって,種情報は最も重要な情報だと思います。種情報の流出は死活問題です。一瞬で財産が吹き飛んでしまいます。

情報の力は絶大です。それを実感した上で,取り扱いについては,細心の注意を払う必要があります。

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