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2007年5月の10件の記事

2007.05.31

クリエイティブコモンズと商標権 その2

昨日,はてながロゴマークをクリエイティブコモンズ(以下,ccとする)ライセンスで公開したことについて書きました(クリエイティブコモンズと商標権 http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/05/post_d747.html)。

この中で,ccライセンスと商標権の間でひずみが生じるのではないかと述べましたが,このひずみについては,はてなも認識している(or認識した)ようです。本日,以下の文章が公開されました。

はてなロゴの著作権表示等について
http://hatena.g.hatena.ne.jp/hatena/20070531/1180582500

なお、CCライセンス以外の条件を課しているのが不適切ではないか、というご指摘を一部の方から頂いておりますが、株式会社はてなでは「はてな」「hatena」という名称を商標としても登録しているため、このような条件を加えています。ご了承ください。


ところで,はてながccライセンスにプラスαの条件を付けていることについて,Creative Commons Japan が問題視しているのではないかと思ったのですが,そうではないようです。

ロゴをCCで公開
http://www.creativecommons.jp/news/2007/05/30/cc_12.html

プラスαの条件については触れられていませんが,はてなの方針は歓迎されているようです。

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2007.05.30

クリエイティブコモンズと商標権

株式会社はてなが,自社のロゴマークを,クリエイティブコモンズ(以下,ccとする)で公開しました。

※はてなの発表
 はてなロゴのリニューアルおよびクリエイティブ・コモンズライセンスでのデータ公開について
 http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20070529/1180419796
 はてなロゴマークを使ってみよう
 http://www.hatena.ne.jp/company/logo

※関連ニュース
 はてな、ロゴをクリエイティブ・コモンズで公開
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/29/news068.html
 はてな、新ロゴを発表、クリエイティブ コモンズ ライセンスで公開
 http://japan.internet.com/wmnews/20070529/1.html
 「はてな」ロゴをリニューアル、英語版サービス公開に先駆けて
 クリエイティブコモンズライセンスの画像データ提供
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/29/15870.html


このはてなの方針,商標の実務家から見るとどうでしょうか?(注:私は商標について実務経験がなく,また詳しくもない)。

多くの企業では,ロゴマークの使用については,社内規定等で厳しく管理されています。使用目的のほか,ロゴの色や大きさ,他の文字や画像との間隔などについても細かく定められています。

はてなの方針は全く異なるものです。一定条件の下で,ロゴマークを自由に使用したり,改変することを認めています。

広く使ってもらって親しみを持ってもらおうという趣旨は分かるのですが,ロゴマークが管理下に置かれないことで,だれの商品・サービスであるか混同を生じたり,あるいは普通名称化するおそれが出てきたりしないのでしょうか? 気になります。普通名称化したらそれはそれですごいですが。


また,商標権との関係も気になります。今回のはてなの方針は,ロゴマークの画像についてccライセンスを設定するというものです。一方ではてなは「はてな\Hatena」で商標権を持っていますが,今回商標権のライセンスについては触れられていません。

ロゴマークの画像は一定条件の下で自由に使ってもよいが商標権については言及していない。この状態はひずみを生みそうです。

はてなのサイトの中に以下の記載があります。

このような使い方はできません
他の会社の提供しているブログに、はてなマークをつける
はてなと関係ない他のサービスや他のHPへのリンクに利用する
はてなと関係ないものを販売したり配布したりしているページに、はてなが配っているかのような誤解をされる態様で利用する

この記載によると,私のブログははてな社提供のシステムではないので,ccライセンスの条件を満たしたとしても,このブログにロゴマークを掲載することはできません。

これらのはてなの記載は,ccライセンスにプラスαの条件を付けているわけですが,上述したひずみがあらわれているようです(※関連リンク:はてなロゴマークのライセンス表示がひどい http://iwaim.beering.be/2007/05/post_2.html)。


はてなのロゴマークがどのように使われていくか,そしてその効果は? 今後が気になります。

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2007.05.28

【速報】ストレージサービス違法判決の判決文が公開

5月25日に判決が出され,それ以降話題になっている裁判の判決文が,先ほど公開されました。

平成18(ワ)10166 著作権侵害差止請求権不存在確認請求事件
全文(PDF),別紙1(PDF)

※関連ニュース

  • 音楽ファイルのネット預かりサービスは著作権侵害 東京地裁「業者が複製」
  • 音楽ストレージサービスには音楽著作物の利用許諾が必要~東京地裁
  • 音楽預かりサービスは著作権侵害 東京地裁「業者が複製」
  • サービス会社が敗訴=音楽ダウンロード著作権侵害-東京地裁
  • 音楽保存サービス:ストレージ利用は著作権侵害 東京地裁

    ※ブログ検索
     テクノラティ: 「ストレージ 著作権」のブログ記事検索結果
     Yahoo!ブログ検索 - 「ストレージ 著作権」の検索結果

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    Second Lifeからセミナーに参加

    Secondlifepostcard

    Second Lifeからセミナーに参加しました。
    参加したセミナーはこちら。

    【第13回】WebSig会議 Second Life内イベント情報 (WebSig24/7)
    http://websig247.jp/meeting/13/000040.html

    上の画像は,そのときの様子です。

    Second Lifeでのセミナーでは,単にセミナーの動画をPC等で見るのとは違って,参加者が集っていることを実感できておもしろかったです。この集っている感は,上の様な参加者が集まっている様子の画像からだけではなく,セミナー中にチャットやtwitterで交わされる参加者同士の会話によるところも大きいです。セミナーと同時進行で,参加者の感想や関連情報が飛び交っていました。


    知財業界について考えると,知財関連のイベントは,その多くが東京で開催されています。かなり強く偏っています。Second Lifeを利用したセミナーでは,どこからでも参加することができます。うまく活用できる可能性があるかもしれません。

    また,Second Life内の知財についてもときどき話題になりますね。例えばこちら。

    米議会、Second Life内で儲けたユーザーに課税検討
    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0701/05/news043.html

     仮想世界での経済活動から得た利益の多くは、参加者が仮想空間で作る洋服などの創造物で生み出され、知的所有権と密接な関係を持っている。ワシントン・ポストによると、同委員会では、こうした仮想世界での知的所有権保護策も検討される。

     仮想世界の知的所有権については、ゲームの運営者によって対応が分かれている。セカンドライフを運営するリンデンラボは、参加者に対し、現実社会の著作権に似た「所有権」を付与している。しかし、多くの仮想世界を提供するウェブサイト運営者は、ユーザーの所有権を認めておらず、仮想世界上の産物の権利は運営者に属するとしている。

     合同経済委員会が示す税制や知的所有権の指針は、日本や欧州での仮想経済活動にも影響を与えそうだ。(以上,記事より)

    このあたりについても,情報を追っていく必要がありそうです。

    あとは,Second Life内にパテントサロンSL版を作ってみようかとか(今のところそんな計画は全くないが),Second Life内に特許事務所がオープンしたりするのだろうかとか(web業界に対してPR効果が高いかも?),そんなことが気になっています。

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    2007.05.20

    Twitterとかアバウトミーとか。

    私のTwitterとアバウトミーのurlは以下の通りです。

    http://twitter.com/otsubo
    http://otsubo.aboutme.jp/

    Twitterでは,パテントサロンの更新情報も書き込んでいます。IMで通知を受けるように設定すると,知財ニュースの掲載や求人広告の掲載を,リアルタイムに近い形で知ることができるようになります。

    この更新情報の書き込みは,パテントサロンの公式サービスではなく,個人的に試している(遊んでいる)ものです。従って,漏れがあったり予告なく停止することもありますが,興味がある方は使ってみてください。

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    2007.05.19

    HASと書いてYMOと読む

    100_03001

    ライブに行ってきました。

    HUMAN AUDIO SPONGE 高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣
    http://www.red-hot.ne.jp/schedule/detailhs.php?id=07051904

    演奏がどうのとか選曲がどうのとかステージ演出がどうのとかそんなことの前に,今まで何度何度も何度も繰り返し聴きまくり,高校生のときには清掃会社でバイトしてシンセサイザーを買い,自分の葬式にはライディーンをかけてくれとまで言っていた私は,1981年にライブで一度だけ見たあの3人が,まさにその本人たちが今そこに立って演奏しているというだけで感動してしまいました(ライブの内容もよかったです。YMOの曲も数曲演奏しました)。

    会場にはTVカメラが入っていました。5月21日(月)に放送される日テレ系「ゲツヨル!」(http://www.ntv.co.jp/getsuyoru/)で取り上げられるようなので,興味がある人はどうぞ。うわさによると,NHKでもライブ映像が放送されるそうです。

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    2007.05.07

    KSR事件に関するブログ記事

    以前紹介しましたが,4月30日にKSR事件の判決が出されました。
    http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/05/ksr_2c71.html

    知財業界的には大きなトピックなのですが,一般の人が関心を持つような事件ではありません。メジャーなニュースサイトではほとんど取り上げられませんでした。現在のところ,以下の2つくらいです。

    米連邦最高裁、特許の「自明性」を判定する法的基準の緩和を命じる
    http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20348164,00.htm

    米最高裁、既存の特許の価値を疑問視する可能性がある判定を下す
    http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu07q2/532730/


    一方,重要な判決ということで,知財の専門家などがブログに記事を書いています。前回も少し紹介しましたが,その後に書かれたものも含めて紹介します(順不同)。

    KSR事件 米国最高裁判決 ~103条 非自明性~
    http://kikuma.cocolog-nifty.com/kikublog/2007/05/post_93b3.html

    号外!!米国最高裁判所からKSR事件の判決出る。
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46752825.html

    KSR最高裁判決
    http://akibapat.exblog.jp/5300706

    米国最高裁判決
    http://yetotsu.jugem.jp/?eid=12

    KSR v. Teleflex 米国最高裁の判決
    http://sspo.jugem.jp/?eid=314

    米国最高裁による進歩性判断基準についての判決
    http://www.furutani.jp/news/NL143.html

    waffleな はなし
    http://ntakei.cocolog-nifty.com/pam/2007/05/waffle_02a3.html

    米国最高裁の判決、あるいはようやく正気に戻るか
    http://nihonir.exblog.jp/5604888

    Syllabus of Certiorari, Supreme Court of the U.S.: 2007-4-30 KSRインタナショナル対テレフレックスら事件の米国最高裁判決要旨
    http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/syllabus_of_cer_8cb2.html

    KSR v. TELEFLEX判決速報
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46801691.html

    KSR事件・米国最高裁判決
    http://ogose.air-nifty.com/blog/2007/05/post_3c0e.html

    【KSR事件部分の日本語訳】KSR Int'l Co. v. Teleflex Inc. and Microsoft Corp. v. AT&T Corp.
    http://akibapat.exblog.jp/5324020/

    KSR事件合衆国最高裁判決和訳の試みについて
    http://digital-law.sblo.jp/

    KSR事件最高裁判決分析
    http://ameblo.jp/patent/entry-10032362170.html

    KSR最高裁判決の影響の予想
    http://ameblo.jp/patent/entry-10032672972.html

    KSRv.teleflex後のUSPTO内部の対応
    http://ameblo.jp/patent/entry-10032747411.html

    Patently-O: Patent Law Blog (記事多数)
    http://www.patentlyo.com/patent/

    KSR事件 続報 (米国特許庁のメモ)  ※5月8日追加
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46909268.html 

    KSR判決と日米の特許審査  ※5月12日追加
    http://blog.goo.ne.jp/svpatent/e/5d763fa00ae3528b09cda971ab489e35

    原点回帰−KSR v. Teleflex のはなし  ※5月16日追加
    http://ntakei.cocolog-nifty.com/pam/2007/05/ksr_v_teleflex_fc37.html

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    2007.05.06

    5月はYMO月間

    ライブに行ってきました。

    YMO 80' WorldTour 再現Live Vol.3
    http://www.o-setsu-y.com/live_info.html

    前回に引き続き2回目の参加です(http://cytech.way-nifty.com/blog/2006/10/ymo__a475.html)。

    使っている楽器はすべてビンテージ品。メンテを繰り返しながら,何とか動かしている楽器もあるのでしょう。演奏中にチューニングが狂ったり,音が出なくなるものもありました。リハーサル中にお亡くなりになられた楽器もあるそうです。参考までに,前回のライブで撮った楽器の写真はこちら→ http://www.flickr.com/photos/cytech/sets/72157594312519678/

    そんな条件の中,相変わらずレベルの高い再現度で,楽しませていただきました。みなさんありがとうございます。お疲れさまです。次回のウインターライブの再現も楽しみにしています。


    そして,今月はもうひとつYMO関連のライブがあります。

    HUMAN AUDIO SPONGE 高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣
    http://www.red-hot.ne.jp/schedule/detailhs.php?id=07051904

    こちらはYMOではないのですが(メンバーは同じだけれど),うわさによると,今回はYMOの曲もやるようです。キリンラガービール飲みながら,楽しみにしています(http://www.kirin.co.jp/brands/RL/cm/)。

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    2007.05.03

    タネが公開されている手品の価値

    「必要以上に種明かしされた」手品師49人がTV局提訴
    http://www.asahi.com/life/update/0501/TKY200705010382.html

    この記事で気になったのが以下の記述。

    手品の種の著作権については文章の形で記述したり、特許申請をしたりするなどして保護しようという試みがある。しかし、コインを使うような古い種は大半が知的財産権の保護期間を過ぎ、保護は困難なのが実情という。

    「手品の種の著作権について特許申請をしたりする」の意味が不明である点とかはおいておくとして,仮に手品の種について特許権を取得できた場合のことを考えてみると,その手品を実施できるのは権利者である自分だけだけれど,発明の内容は公開されていて,手品の種はみんなが知っている,ということになる。

    こんな状況にしようとする「試み」が,本当にあるのだろうか?

    著作権については(私は著作権制度について素人です),そもそも手品の種は著作権の対象になるのだろうか? 手品の種が書かれた文章や記録された映像の複製が問題になるのはわかるが。


    保護できない理由について「知的財産権の保護期間を過ぎ、保護は困難なのが実情」というのもよくわからない。

    特許権について考えてみると,「保護期間を過ぎ」ということは,ある手品の種について過去に誰かが出願して権利を取得し,その後その権利期間が終了したという意味だろうか? そして,この権利期間が終了した特許権について,再度保護を求めようということなのだろうか?

    著作権については,ある手品の種の著作者が死亡して50年以上が経過したということをいっているのだろうか?

    いずれにしても,特許権や著作権についていえば,保護期間が過ぎたものについて保護が困難なのはあたりまえである。というよりむしろ,保護してはいけないのである。それらが所定の期間を超えて保護されることは,産業の発達や文化の発展という各制度の目的に反してしまうことになる。保護と利用のバランスが制度のポイントなのだ。


    それはともかく,手品師の方々にとって,種情報は最も重要な情報だと思います。種情報の流出は死活問題です。一瞬で財産が吹き飛んでしまいます。

    情報の力は絶大です。それを実感した上で,取り扱いについては,細心の注意を払う必要があります。

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    2007.05.01

    KSR事件 米国最高裁判決

    4月30日,非自明性(103条)で話題になっていた,KSR事件の最高裁判決が出されました。

    日本のメジャーなニュースサイトではまだ取り上げられていないようですが(同日に判決が出されたマイクロソフト事件は多数取り上げられている),知財系のブログでは,早速関連する記事が投稿され始めています。目についた記事を紹介します。


    ■最高裁判決に関する記事(順不同)

    KSR事件 米国最高裁判決 ~103条 非自明性~
    http://kikuma.cocolog-nifty.com/kikublog/2007/05/post_93b3.html
    号外!!米国最高裁判所からKSR事件の判決出る。
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46752825.html
    KSR最高裁判決
    http://akibapat.exblog.jp/5300706
    米国最高裁判決
    http://yetotsu.jugem.jp/?eid=12
    KSR v. Teleflex 米国最高裁の判決
    http://sspo.jugem.jp/?eid=314


    ※参考 過去の関連記事(順不同)

    特許制度改革に一石を投じるKSR事件の米連邦最高裁判決(上)
    http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/nara_yoshida20061027.html
    http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/nara_yoshida20061102.html
    CAFCが確立した自明性判断基準の見直しを迫る最高裁上告請求事件
    http://www.ngb.co.jp/news/2005/051008.html
    非自明性の判断における教示-示唆-動機テスト
    http://knpt.com/contents/cafc/2005.03/2005.03.htm
    米最高裁、特許の「自明性」を審理へ
    http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20331507,00.htm
    米最高裁、特許付与に関する現行の法的基準を痛烈に批判
    http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20333207,00.htm
    特許承認基準の変更を巡り最高裁で論争──マイクロソフトら5社は申立書を提出
    http://www.computerworld.jp/topics/ma/53490.html
    進歩性に関するKSR 事件、連邦最高裁で口頭審理
    ~米各メディアは保護に値しない特許を生む現行基準に最高裁も批判的と報道~
    http://www.jetro.go.jp/biz/world/n_america/us/ip/news/pdf/061130.pdf
    米国特許の非自明性(103条)判断基準
    http://kikuma.cocolog-nifty.com/kikublog/2007/04/post_df00_1.html 

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