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2006年12月の6件の記事

2006.12.18

Google Patent Search スタート

パテントサロンでも紹介しましたが,Googleが特許検索サービスを開始しましたね。

Google Patent Search

サービス開始を知ってからいろいろ遊んでいるのですが,なかなか面白いです。

【注意】
私は特許実務を9年ほど経験していますが,特許調査のプロではありません。以下,これを踏まえて読んでください。


いつものGoogleと同じ感覚で,公報がサクッと検索できます。例えば,Amazonの1-click特許を見つけようとした場合,「amazon "1 click" OR "one click"」と入力して検索すると,一瞬で23件がヒットします。

ヒットしたものを見るとAmazon以外の出願が混ざっているようなので,Advanced Patent Search画面を開き,Assigneeに「amazon」を入力して再度検索します。すると,Amazonの出願11件に絞り込まれました。侵害訴訟の対象になっているUSP5,960,411もヒットしています(参考:「アマゾン「1-Click特許」訴訟)。

Google Patent Searchでは,Google Book Searchと同様に,公報のイメージを取り込んでいます。特定の公報の中でキーワード検索することも可能で,ヒットしたキーワードがハイライト表示されます。全体的に使いやすいですね。


検索結果の正確性などについて確認することが必要ですが,この簡単さ,スピード,そして無料であること,非常に強力なツールになる可能性があると感じました。しかるべき人が徹底的に使い込んで,「特許調査のプロが教える Google Patent Search」なんて本を書くと売れるかもしれません。

そして,なんといっても相手は(?)Googleです。これで完結ではないはずです。バージョンアップを繰り返していくことでしょう。どんな機能が付くでしょうか? ヒットした公報を一括印刷できたり,翻訳機能がついたり,特定の検索条件でヒットしたものをRSS配信してくれたり,Google ニュースアラートの様にメールで知らせてくれる様になったりなどは,容易に想像がつきます。検索対象も広げていくことでしょう。いずれは日本の公報も対象になるのでしょうか?


特許実務の現場を離れてから,特許調査の重要性を強く感じるようになりました。一歩下がって眺めることで,特許活動全体が少し見えやすくなったのかもしれません。特許担当者,開発担当者,その他,それぞれの立場で特許調査はとても重要です。いつものGoogleの感覚で使えるこのツールは,特許屋以外の人,例えば開発担当者にとって,使いやすくて有効かもしれません。

今後が楽しみです。

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2006.12.14

電球の1つも買えない...

エジソン電球:落札されず ロンドン競売
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20061214k0000e030052000c.html

電球の生い立ちを見ると,パテントサロンで買って飾っておきたいところですが,たとえ経費で買えたとしても,4600万円は無理。ばら売りでも200万円(割り算しただけ根拠なし)。これも無理。

仕方ないのであきらめます。

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2006.12.13

「神田うの」は商標登録されているのか? (完結編)

※関連記事
 「神田うの」は商標登録されているのか?
 「神田うの」は商標登録されているのか? (その2)

この件,ニュース記事を読むと,神田うのへのインタビュー記事であることが分かります。ということは,真相はすべて,神田うのがインタビューで何を話したかにかかっています。これが一次情報ですね。ということで,この一次情報に近づいていくことにしました。

そしてたどり着いたのが,インタビューのときに撮影された映像です。またまたmixi経由でいただいた情報に基づいて見つけることができました。ありがとうございます。

MSN ビデオ
http://jp.video.msn.com/v/ja-jp/v.htm

問題の映像は,「神田うの」で検索するとヒットする「神田うの 独身最後のウエディングドレスを披露 12月5日 東京・恵比寿」という映像です。

関係する部分を書き出してみました。

うの:コンセプトはですねぇ,あのう,シェーナドールという,まぁ,ドールなんですね。うのドールっていうのが,実は,あのぅ,ちょっと,取れなかったんですね。

記者:えっ。そうだったんですか? えっ,どうして?

うの:うん,それで,なんか,商標っていうんですか? よくわかんないですけれども。

記者:うのドールはじゃあ別の誰かが使ってたんですかねぇ?

うの:ねぇ,怖いですねぇ。

記者:ねぇ。あはははは。

うの:で,ちなみに神田うのっていうのももう取られてるんですね。

記者:えええっ!,えっ,ちょっと待って。

うの:なんか,神田うのドットコムとかも,どなたか,全然関係ない方が,持ってるんですね。

記者:えへへへへ。

うの:返していただきたいですけれども。

記者:あははは。

(以上,1分29秒~2分7秒の部分より)

ニュース記事は,このインタビューに基づいて書かれたもののようです。

このインタビューで神田うのが話した内容をまとめてみました。

(1)「うのドール」という商標(たぶん)が取れなかったのでシェーナドールにした。
(2)「神田うの」が取られている。商標かどうかは明確に言及していない。
(3)「神田うのドットコム」というドメイン名は関係ない人が取っている。

問題は(2)ですね。明確な言い方はしていません。しかし,インタビュー映像に映っている前後の会話の様子からみて,ドメイン名「神田うのドットコム」のことを言っている可能性が非常に高いと思います。

さらに,IPDLで「神田うの」が見つけられないこと,記事にも特許庁が「神田うの」を確認できないといっていると書かれてあることを合わせて考えると,(2)はドメイン名「神田うのドットコム」のことを言っていることに間違いないと考えます。

なお,(3)のドメイン名については,「神田うの」は商標登録されているのか? (その2)で書いたように,すでに他人によって取得されていることが確認できています。(1)については「いのドール」や「えのドール」や「うの人形」などが先に存在していれば商標登録できないのかもしれませんが,私は商標の実務家ではないのでここでは言及しません。

以上から,

記事に書かれてある,「神田うの」が商標登録されているという事実はない。ドメイン名「kandauno.com」が取られていると話したことが誤って伝わり,記事になったものである。

と判断します。


ところで,この主張には弱点があります。一次情報としてよりどころにしているインタビュー映像ですが,実は完全な一次情報ではありません。よく見ると,数ヶ所編集の痕跡が見られます。一部がカットされているようです。確かにニュース記事には「友人から名前(本名も同じ)が商標登録されていることを聞いたそうで」と書かれてありますが,このインタビュー映像では,「友人」のことは一切出てきません。カットされている可能性があります。従って完全な一次情報ではないのです。

ニュースにおいて最も重要なものは一次情報です。一次情報に触れることができれば,誤解を防ぐことができたり,自分で納得いくまで内容を確認することができるのです。現在,ネットを使えば,全てのニュースの一次情報を公開することは,技術的にはかなり可能だと思います。

誰でもいつでも簡単に一次情報に触れられる社会になることを,強く期待します。

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2006.12.12

「神田うの」は商標登録されているのか? (その2)

※関連記事
 「神田うの」は商標登録されているのか?

この件,気になってその後も継続してあたっていました。また,何人かの方からコメントもいただきました。知財業界以外の方からも,mixi経由でコメントをいただきました。ありがとうございます。

しかしながら,今のところ,決定打はありません。

現在可能性があるかもしれないと考えているのが,いただいたコメントを参考に誇大妄想して無理矢理たどり着いた,ドメイン名「kandauno.com」です。

このドメイン名は,所有者情報を確認したところ,神田うのあるいは神田うのの関係者ではない人によって,とられている様です。

ニュース記事によると,今回の商標登録に関するニュースの情報源は,「うのによると、友人から名前(本名も同じ)が商標登録されていることを聞いたそうで」程度なので,ドメイン名がどこかで商標登録になってしまった可能性もあるのではないかと考えています。

真相はどうなのでしょうか? もう少しあたってみます。

ちなみに,「kandauno.jp」,「kandauno.co.jp」はまだ空いている様です。

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2006.12.11

「神田うの」は商標登録されているのか?

「神田うの」商標登録されていた
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061209-00000004-gen-ent

『神田うの』ご立腹!「私の名前返してよ」…すでに商標登録
http://www.sanspo.com/geino/top/gt200612/gt2006120600.html


何度記事を読んでも,「神田うの」が商標登録されていたという記述は見つかりません。「神田うの」が商標登録されていたと神田うのが言っている,と書かれてあるだけです。

IPDLをたたいても「神田うの」の登録は確認できません。出願さえ確認できません。記事にも,特許庁は「神田うの」は確認できないと言っていると書かれています。

しかしタイトルを見ると,普通に,「神田うの」が他人によって商標登録されていたので,神田うのが怒っている,というニュースに見えます。

実際,ざっくりとブログ検索をしてみると,商標登録された事実は確認されていないということに触れているブログはごくわずかで,大半のブログは「神田うの」が登録されていたと認識されて書かれています。

ということで,これらの記事については,誤解を招く危険が高いと考え,パテントサロンでは紹介していません。より正確な記事が公開されれば,それらとあわせて紹介したいと考えています。

う~ん。

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2006.12.05

ピタゴラ装置DVDブック

特許屋であればたぶん好きであろうピタゴラ装置のDVDがでました。
もちろん速攻で購入。

http://comics.shogakukan.co.jp/pitagola/

う~ん面白い。

ピタゴラ装置は昔から大好きです。10年くらい前にはまっていたのが「インクレディブル・マシーン」というPCゲーム。画面上でピタゴラ装置を組み立てて与えられた課題を解くというゲームです。

参考(1) http://tinyurl.com/t9y2f
参考(2) http://tinyurl.com/vago7

シリーズでいくつか出ているのですが,私の手元にあるのは「もっともっとインクレディブル・マシーン」です。今は,これにWindows xpで正常に起動できるようにするパッチをあてて,ときどき遊んでいます。

現在は入手困難で,新しい商品が出る様子もなさそうです。残念。最近のピタゴラ装置人気に便乗して,どこか新商品を出さないかなぁ。

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