今日4月10日は,パテントサロンの誕生日です。
パテントサロン
パテントサロンは2000年4月10日に生まれました。今日6歳になりました。
この間,いろんな出来事がありました。どんなことがあったか思い出そうとしていたら,むかし人に頼まれてちょっとまとめたものが出てきたので,参考までに載せてみます。なお,これは2004年9月にまとめたものなのでそれ以降の出来事は含まれていません。また,かなり短時間でサクッとまとめたものなので品質は保証できません。ご利用の際はご注意ください。
ここ数年の主な知財関連出来事
【2000年以前】
1999年9月頃から「ビジネスモデル特許」という言葉が広く知られる様になった。
それ以降,2000年の間中,ビジネスモデル関連のニュースが非常に多い。ニュースの内容は,ビジネスモデル特許を取得した,ビジネスモデル特許に基づいて訴訟を起こした,ビジネスモデル特許を取得するための部署や会社を作った,など。
ビジネスモデル特許以外のニュースとしては,ソフトウエア特許に関するもの,ドメイン名に関するもの,Napsterなどファイル共有に関するものが目立つ。
【2001年】
2000年から引き続き,青色LED特許について,日亜化学,豊田合成,米Creeなどが,侵害訴訟,無効訴訟を多数提訴。判決もいくつか出された。
そんな中,中村教授がいわゆる職務発明訴訟を9月に提訴した。
エイズ治療薬特許問題 南アフリカと製薬会社などが対立。WTOでも協議されるが難航。結局2003年夏になって,コピー薬認可の方向で決着した。
12月に三井住友銀が,ビジネスモデル特許「パーフェクト特許」を取得。
日航が航空券ネット販売に関する特許を取得し,類似システムの全日空などと協議を開始。この特許については,2004年7月,日航は全日空を相手に,100億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
WinMXでファイル交換を行っていた学生が著作権侵害で逮捕される一方で,日本版ナップスター「ファイルローグ」がサービスを開始した。
【2002年】
7月に知的財産戦略大綱が正式決定された。
日立金属元社員,味の素元社員などが,職務発明訴訟を提訴。中村裁判では,特許は日亜化学に帰属との中間判決が出され,焦点は対価の請求へ。日立元社員の光ディスク特許訴訟、発明の対価は3500万円との判決がだされる。
中村裁判の影響か,メーカー各社が,報奨金の上限を撤廃するなど,職務発明規定を見直す。また,職務発明制度の見直し議論も活発になる。
「キヤノン特許部隊」が出版。
コピー防止機能付きCDが国内でも発売。エイベックス等。その後広く採用される様になるが,2004年9月,エイベックス等は採用の弾力化を発表。採用縮小の方向へ。
「パチスロ機が特許侵害」で,東京地裁84億円の高額賠償命令。
最高裁、中古ゲームソフト販売は合法、と判決。
【2003年】
知的財産戦略本部が初会合。
知財高裁設立の動きが活発になるが,設立形態について各省庁などが激しく対立。紆余曲折の後,東京高裁内に知財高裁を設立することになる。
職務発明訴訟については,オリンパス最高裁判決の他,日立金属事件などでも対価を認める判決が出る。また,新たにキヤノン元社員,三菱電機元社員が訴訟を起こす。
2画面携帯特許の成立が話題に。ドコモなどが異議申し立てを行う。
SCOがLinux関連の権利の主張をスタート。長期にわたり多くの企業と争うことになる。
商標関連の事件が多発。
「阪神優勝」,「NPO」,「青森」,「がんばれ日本」など。
知財の証券化の動きが活発に。
NECが特許公開サイトを開設。
欧州ではソフトウエア特許導入の是非について,数年間議論が続いている。
5月に,日本知財学会 第1回学術研究発表会・シンポジウム 開催。
ファイル交換「ファイルローグ」に違法の判決。
【2004年】
職務発明訴訟において,高額判決が続出した。
1月に日立元社員の発明対価、1億6200万円支払い命令がでると,その翌日には,中村裁判で対価約600億円,支払い額約200億円の判決が出された。
その後も,味の素訴訟などで億単位の額が出される。
一方で,新たな職務発明訴訟も多く提訴された。東芝元社員,デンソー元社員など。報奨金の上限撤廃など,職務発明規定の改定を行う企業が多数。
4月にはプラズマディスプレイ技術について,富士通がサムスンを提訴した。その直後に東京税関がサムスン製品の輸入を差し止め。サムスンは富士通を東京地裁に逆提訴した。その後6月に両社は和解した。
シャープが液晶テレビに関して韓国メーカに対し,輸入差し止め請求をすると,即座に対象のテレビを販売しているイオンがシャープとの取引を停止。そして翌日には両者は和解して取引再開。
最初の知的財産報告書が6月に出された。その後他メーカーも提出。2004年9月の時点で,10社が提出。今後さらに増える予定。
第1回 知財検定が3月に行われた。1200人以上が受験。11月には第1級の試験も初めて行われる。
輸入CD規制に対して,多くの消費者,音楽家などが反対意見を表明。ネット上でも盛んに意見が交わされた。
Winny開発者が,著作権法違反幇助の容疑で逮捕される。
う~ん,かなりおおざっぱですね。もう少しちゃんとまとめておけばよかった。毎年年末にまとめようかなぁ。
知財関係の動き,今後はどうなるでしょうか? 今ちょっと思いついたものをあげてみると,韓国などとの関係,特許情報の扱い(海外からのアクセス),オープンソース現象の拡大(ソフトウエア以外にも?),ネットサービスの権利,著作権制度全般,などが気になります。
7歳の誕生日は,どんな状況で迎えることになるでしょうか。楽しみです。