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2005.11.16

使えなくなると困るのは分かるけれど

米司法省、BlackBerryの継続利用求める意見書を提出

BlackBerryのメーカーResearch in Motion(RIM)の特許訴訟に絡み、米司法省が裁判所に対し、「たとえRIMに不利な判断が言い渡された場合でも、政府職員は引き続きBlackBerryを使って電子メールを相互に送受信できるよう保証してほしい」との配慮を求めた。BlackBerryは政府職員にとって「必要不可欠」なデバイスだとしている。

BlackBerryが「必要不可欠」なデバイスであるのは,政府職員だけではない。どのくらいの人が持っているのかについて詳しい数字は知らないが,シリコンバレーで綴る弁理士日記でも触れられている様に,多くのビジネスマンが携帯している。米国で仕事をしている知り合いの弁護士は,これが無くては仕事にならない,と言っていた。

司法省の意見書,どうなんだろう? 特許権的には問題があるのだけれど困るから使えるようにしてほしい,というのは,特許制度の意義や是非にも関わってくるような問題だ。エイズ治療薬問題のように,医薬や医療の分野では,生死の問題に関わってくることさえある。そんな制度的にも法的にも大きな問題であるのに「政府職員は引き続き使えるようにしてほしい」という主張。かなり疑問を感じてしまいます。

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コメント

自己紹介兼コメント投稿をさせて下さい。

名前はAugie Rakowです。数年間日本の司法試験に挑戦してから、母国アメリカに帰り自国弁護士資格を取得する手前(後1年で卒業)の者ですが、日本で特許明細書翻訳で家計を立ていた経験を持ち、卒業後は特許訴訟(知財訴訟)分野に戻り働きたいと思っています。

上で書いたURLは私による未熟で発足したばかりの知財系ブログです。(日本語も推敲しておらず、誤記だらけです。)でも我がブログの方針としては、数知れず英語版知財系ブログや知財ニュースサイトを選り取りして面白いところだけを日本の読者に紹介したいと思っています。今のところは2,3回の投稿しかしておらず、試行錯誤している段階です。(ブログの語り声を探ったり。)。実験を続けて成長した時には私へのリンクをお願いしたいと思いますが、しかし今は未熟で恥ずかしいものですから人には余り話さないで下さい。(笑)  ブログ名すら未定です。今はIP News USAですが、「米IP案内人の庵」などに変更を検討中。

ではでは、米司法省からのBlackberry意見書(使えなくなると困るから政府員だけに使わせてほしい)について一言加えさせて下さい。

本件の意見書は知財制度外の単なる甘いにもみえるけど実は知財制度内の普通のものです。Patently-O(知財系ブログ)の指摘によれば、Trojan v. Shat-R-Shieldの判決では米政府は特許発明を停止されることはない。もちろん、政府の行動が公益に資するとすれば特許制度は政府の不利に使われることはないはずです。まあまあ、全体の趣旨を語る場合ではないですので申し訳ありません。とにかく、今回の意見書には強い根拠があると思います。政府側の主張は、ある程度、言うまでもない主張だとも思います。

投稿: Augie Rakow | 2005.11.18 08:20

度々コメント投稿です。

米政府からの「Blackberryを特別に使わせて欲しい」意見書の主張が医療分野においても議論されている。「鳥インフルエンザ問題」について、スイスの製薬会社・Roche社のTamilfluの特許をbreak(停止?)するかどうか(英語のリンクです):

http://www.boston.com/news/globe/editorial_opinion/oped/articles/2005/10/31/patent_nonsense_on_avian_flu/

ところで9・11多発テロ事件のときも、炭ソ菌に効くとされた米Bayer社の特許が渦の中でした。

投稿: Augie Rakow | 2005.11.19 06:20

Augie Rakow さん

自己紹介&コメントありがとうございます。
ブログ楽しみにしています。

さて,政府だけは使えるようにしてほしいという意見書の件ですが,司法省が提出した意見書でもあり,Augie Rakowさんが書かれているとおり,根拠がないということは考えられないですね。

制度の詳細は知らないのですが,公共性とか社会性の程度によって判断されるのではないかと想像しています。炭疽病のときのニュースでは,カナダ政府が緊急時には特許にかかわらず医薬品生産を許可できるとの法律条項を適用した,という旨の記事がありました。

BlackBerryについてどのような判断がされるのか,気になるところです。今週中には結果が出されるようです。

投稿: 管理人 | 2005.11.20 16:35

パテログ 様

 私のコメントに対して返事をて頂いたのに気づかきませんでした。光栄です。

 Blackberry事件と利用停止命令への政府意見書ですが、意見書の法的根拠について次のことが分かりました。この話は、アメリカと日本は違うでしょうか?

 では、アメリカの場合は、特許品の利用停止命令を政府に対し発することが出来るかどうかは、民事訴訟法の問題として、連邦裁はこのような命令の請求を受理発する管轄権を持たないようです。

 面白いことに、連邦裁の特許訴訟管轄権を規定した28USCS第1498条によれば、政府へ供給される供給品が特許権に抵触する場合、特許権者は供給者に対して損害賠償を求めることが出来ず、損害の賠償を政府から求めるべき事になっています。そして、政府への供給を乱したくないとの条文趣旨から、民間供給者への利用(供給)停止を命令する事もできません。これを明確にしたのは1990年のTrojan v. Shat-R-Shield事件(最高裁ではないが)です。ポイントだけ言えば、特許権利の範囲の一般論としても、特許権利は政府利用を妨げてはいけないとの条件の限りにおいてのみです。適切補償さえ与えれれば私有地すら利用できる政府のeminent domain(収用権)の表れとして理解されています。

 ちなみに、日本の場合はどうなりますか?政府の民間供給者が侵害訴訟被告になった事件はありますか?被告品たるイ号物件が政府へ供給されているような場合、裁判所は侵害訴訟を受理しますか?特許権者は提訴できるでしょうか?

  ところで、我がブログはやっと立ち上げられました。ご覧頂ければまた光栄です。よかった「知財系ブログ」へのご掲載をよろしくお願いいたします!!

 http://ip-news.usa.blogspot.comのラ・ラ・ラコー

投稿: Augie Rakow | 2006.01.31 11:44

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