03. 知的財産

2008.05.09

iPodへの私的録音録画補償金の課金についてのアンケートが行われています

copyrightさんが行っているアンケートはこちら。

iPodへの私的録音録画補償金の課金についてのアンケートを行っています
http://d.hatena.ne.jp/copyright/20080509/p2

私的録音録画補償金の課金については,パテントサロンとしては意見はありませんが(パテントサロンは意見を一切持たないし述べない。意見を表すと情報の紹介の仕方にバイアスがかかっていると受け取られる可能性が出てくるから。パテントサロンはニュースや情報の紹介に淡々粛々と徹する),広く国民に関係していることでもあり,多くの人が関心を持ち,現状を知り,意見を持つことが重要です。

関連ニュースを下記ページにまとめています。
アンケートに答える際に,よかったら参考にしてください。

トピック 私的録音録画補償金制度
http://www.patentsalon.com/topics/remuneration/

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2008.05.08

くいだおれ太郎 ブランドと思い入れ

このところ,くいだおれ太郎の商標権に関するニュースが流れています。例えば今日のこちらのニュース。

くいだおれ人形買収でファンド 問い合わせ相次ぐ
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080508/trd0805081217004-n1.htm


そんな中,情報を集めているときに読んだ記事がこちら。くいだおれ総務部のブログに書かれている記事です。

大阪名物くいだおれ 総務部のブログ: 太郎のお出かけ
http://cui-daore.sblo.jp/article/14721563.html

これを読むと,いかにくいだおれ太郎(次郎も)を大切にしているか,大事に扱っているかが,ひしひしと伝わってきます(お客さんを大切にしていることも伝わってくる)。大切に大切にしてきたんですね。感動しました。ウルウルしてしまいそうでした。

私も,我が愛娘パテントサロンはとても大切で,毎年誕生日にはケーキを買ってお祝いしたりはしていますが,くいだおれはほんとすごい。すばらしいです。

ブランドについては,ブランド戦略とか商標の価値とか,いろんなところでいろんなことが書かれたりしています。それはそれで大切なのですが,個人的には,まず,そのブランドにどれだけ思い入れがあるか,どれだけ愛着があるか,という点が最も大切で,全てはそこからスタートだと考えています。

ですから,会社を買収したときに,買収先の社名の方が知名度が高いから,いままで使ってきた社名を捨ててそちらに社名を変更するなんてことは,ビジネスとしては正しいことだとも思うのですが,私にはどうしても考えられません。

くいだおれブランド,すばらしいです。これからもみんなに大切に大切にされることを強く強く願います(また見に行きたくなってしまった)。

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2008.05.02

うま味発見のドキュメンタリードラマ上映会

特許を扱ったドラマが公開されます。

東京大学との共催による うま味発見のドキュメンタリードラマ「AMBITION(志)」 フィルム公開上映会 観覧希望者募集 東京大学理学部・小柴ホールにて5月24日(土)開催
http://www.ajinomoto.co.jp/press/2008_03_21_2.html

今回、うま味発見から100周年を迎え、池田博士が「うま味」を発見後、調味料の製造法特許を取得してから事業化するまでを、ドキュメンタリードラマという形で制作しました。(サイトより)
このドラマ,とてもおもしろそうです。発見から権利化,そして事業化まで描かれている点がポイントですね。鈴木三郎助氏の話も出てくるのでしょうか。非常に興味があります。

また,サイトにはこんな記載もあります。

池田菊苗博士によって発見され、命名された「うま味」は、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味の1つで、「うま味」という表記も池田博士が定めたものであり、海外でも「umami taste」として 知られています。(サイトより)
ちょっと気になったので,英語版Wikipediaで調べてみました。ちゃんと載っています。すごい。

Umami - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Umami


ところで,池田博士は確か日本の十大発明家に選ばれていたはずだと思い,ちょうど今日虎ノ門で打ち合わせがあったので,その帰りに特許庁に寄り道してきました。特許庁1階のロビーには,日本の十大発明家のレリーフが飾られているのです。

いました池田博士。レリーフの下には業績が記されています。

池田菊苗@特許庁

久しぶりに特許庁に来たので,他のレリーフを見たり,興味があるパンフレットをもらったり,地下の食堂でカツカレーを食べたりして帰りました。


このドラマの上映会,先着順で申込を受け付けているようなので,興味がある方はお早めにどうぞ。

私は非常に興味があるのですが,どうしても当日の都合がつかず(九州にいる予定),見に行くことができません。う~ん,残念。この上映会以外に見られる機会はないのだろうか?

特許を扱ったドラマはそれほど多くありません。有料無料に関わらず,ぜひ何らかの方法で広く公開してほしいです。味の素と東京大学に期待します。

※参考
十大発明家
http://www.jpo.go.jp/seido/rekishi/judai.htm
日本の十大発明家 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%8D%81%E5%A4%A7%E7%99%BA%E6%98%8E%E5%AE%B6

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2008.04.30

知財系オフ会@大阪

大阪で知財系オフ会を開催しました。

※関連記事
セミナー参加と大阪出張とくいだおれ太郎
http://cytech.way-nifty.com/blog/2008/04/post_87cb.html

場所はもちろんくいだおれ太郎すぐ近く,大阪松竹座の地下にある店で行いました。参加者は17名。途中に自己紹介コーナーがあるだけの単なる飲み会だったのですが,閉店までしっかり盛り上がりました。

私は知財系の飲み会をときどき開催していますが,そんな中でも今回のオフ会は,ちょっと特別な思いがあります。

ちょうど1年前,去年の4月に初めて大阪でオフ会を行いました。

第3回 ipippiリアル in 大阪 開催のお知らせ
http://www.patentsalon.com/info/20070403.html

それまで私は関西の方とはあまりつながりがなかったのですが,この去年の会で,多くの方と知り合うことができました。

そして今回の大阪での2回目のオフ会。去年の会に参加された方も多く来られましたが,単に1年ぶりに再会したというだけではありません。この1年の間,SNSなどネットを通じて,お互いの状況や考え方などをそれなりに把握しています。その上での1年ぶりの再会です。いきなりディープな話題も飛び交い,非常に盛り上がりました。

今回のオフ会を通じて,この1年間,コミュニケーションが継続して存在していたことを強く実感しました。そしてこれからは,今回初めて参加された方も巻き込んで,ますますコミュニケーションは充実していくことでしょう。やはりコミュニケーションは,ネットとリアルの併用が効果的です。

また,コミュニケーションを充実させるためのリアルな会は,定期的継続的に開催することがポイントだと考えています。大きなイベントを1つ開催するのではなく,無理のない範囲でがんばらずに継続的に開催することが効果的です(ちなみに東京で定期的に開催している知財系飲み会は140回を越えました)。

今回のオフ会をきっかけに,大阪でも定期的に開催しようという動きも出てきているようです。私も可能な限り参加させていただくつもりです。これからが楽しみです。

そして次は,他の地域でもリアルな会を開催したいと考えています。いろんな地域でリアルな会を開催してコミュニティを作っていき,そしてそれらコミュニティ同士がつながってさらに大きなコミュニティになる。こんなことが実現できたら,知財に関する情報の流動は大きく活発化するはずです。これはおもしろそうです。


ところで,もちろんくいだおれ太郎とビリケンさんもちゃんと見てきました。通天閣では,くいだおれ太郎を通天閣に呼ぶための署名活動が行われていました。

001002003
 
 


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2008.04.25

特許屋にしかできないプロポーズ(続報?)

先日プロポーズ出願について書きましたが,これに対して,SNS経由やパテントサロン経由で何人かの方からコメントをいただきました。

いただいたコメントの多くが,早く公開したいのなら出願公開の請求(64条の2)をすればいいじゃないか,というものです。う~ん,特許実務から9年近くも離れているせいか,全く思い浮かびませんでした。まずい。

ただ,出願公開の請求については,実務をやっていた頃でも,請求したこともなければまわりで請求したという話を聞いた記憶もありません。それに比べて早期審査はときどき話題になりますよね。ということで許してください。実際,出願公開の請求はどのくらい行われているのでしょうかね。

また,これに関連して,出願公開の請求で早く公開されるのはいいけれど(請求から数ヶ月程度らしい),この請求は取り下げることができないので(64条の2第2項),公開までの間に心変わりすることがある可能性を考えると怖いというコメントもありました。確かにぞっとします。

あとは,商標出願の方が早いのではないかとか,複数の相手に対してプロポーズ出願を行うことをフタマタ出願と呼んでいる方がいたとか,そんな感じでした。

みなさまコメントありがとうございます。

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2008.04.22

特許屋にしかできないプロポーズ

先週のこの記事を読んでちょっと考えました。
特許屋にしかできないプロポーズって,どんな方法でしょうか?

プログラマーにしかできないプロポーズ
http://akihitok.typepad.jp/blog/2008/04/post-d76c.html

特許屋が自分の意志を伝える手段として使えるものといえば,やはり出願明細書です。ということで,出願明細書に,発明の内容ではなくプロポーズの言葉を切々と書いて出願することにします。

そしてその出願が公開され,特許電子図書館に掲載されたことを確認したら,「ちょっと○○で検索してごらん」とかいって相手に検索してもらうわけです。相手がヒットした公報を開くとそこにはプロポーズの言葉が。う~ん,いいかもしれない。

しかし,この方法には大きな問題がありますね。出願公開までに少なくとも1年半待たなければならない点です。このタイムラグは致命的です。

このタイムラグを少しでも短くする方法として,出願と同時に審査請求し,あわせて早期審査をかける方法が考えられます。うまくいくと,1年半より前に特許電子図書館に掲載されるかも知れません。しかしこの場合,出願が特許になる必要があるし,早期審査の要件も満たさなければなりません。さらに審査請求料などの費用もかかります。そもそも,早くなるといっても掲載までに最低数ヶ月間はかかるわけで,あまり得策ではなさそうです。タイムラグの問題はどうしようもありませんね。

しかし,考えようによっては,この1年半は使えるかも知れません。例えば,この人少しいいかもしれないという相手を見つけたら,とりあえずプロポーズ出願をしておきます。その後,うまくいくかも知れないし,いかないかもしれません。しかしいずれにしても,1年半も経てば,いろんなことが分かってきます。そこで,やはりこの人だということになれば,公開された公報の番号を伝えればいいのです。逆に,この人は違うとなった場合には,出願を取り下げれば公開されることはありません。今は無きノウハウ出願と同じ方法です。先願の地位を得ることはできませんが,「1年半前からあなただと決めていた」というセリフを使える地位を得ることができます。

なお,注意点として,プロポーズ出願を複数の相手に対して行っていた場合は,他の出願を取り下げることを決して忘れてはいけません。

この特許制度を駆使した(ホントか?)プロポーズ,特許屋にしかできません。いかがでしょうか?

※注
出願公開制度はこの様な目的で作られたものではありませんので,絶対に実行しないでください(するわけ無いか)。

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2008.04.21

ロゴとエコとドコモ

先週の金曜日,NTTドコモがロゴを変更するというニュースが流れました。

このニュースを読んで最初に思ったのが,ドコモの商標担当者は大変だっただろうなぁ,ということです。社名変更ほどではないにしろ,関連する仕事はいろいろ考えられます。しかもそれらを秘密裏に行わなければならなかったわけで,さぞ大変だったことでしょう。お疲れさまです(担当された方を知っているわけではありませんが)。

次に頭に浮かんだのが資源に関することです。これから,ロゴがついているもの全てについて新ロゴのものに取り替えていくわけですが,それに伴って非常に多くのものが破棄されるのだろうなぁ,と思いました。

会社で使っている各種書類,封筒,名刺,看板。そして,全国各地にあるドコモショップの看板やディスプレイ,パンフレット,契約書,販促材。さらに,街中に数多のごとく存在するケータイショップや家電量販店などで使われているディスプレイやポップ広告。

その総量は莫大なものになると思われ,これらが交換・破棄されることを想像するとぞっとします(封筒や名刺等についてはロゴ切り替え後も無くなるまで可能な限り旧ロゴのものも使われると思いますが)。

そこで勝手な妄想なのですが,この資源の問題に対し,ドコモが何か粋なことをやってくれないかなぁ,と考えています。例えば,ドコモショップのみならず,全国各地のケータイショップや家電量販店などから,旧ロゴがついたありとあらゆるものを対象に,ドコモがまとめて回収または買い取ってリサイクルするとか,ドコモショップの旧ロゴ看板は全てエコバッグにして配るとか,などです(急によい具体例を思いつくのは難しい)。

もし仮にドコモがこの様な活動を行った場合,その効果は今回のロゴ変更だけにとどまりません。日本有数の大企業であるドコモがこの様な活動を行うと,他の企業がロゴや社名を変更する際,同じようなことを考える可能性が出てきます。大企業が社会に及ぼす影響は大きく,ドコモのような大企業が動くことは大きな意味があると思います。

日本有数の大企業ドコモに期待しています。

※関連ニュース

※ニュースリリース

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2008.04.17

セミナー参加と大阪出張とくいだおれ太郎

4月の後半に,セミナー参加と大阪出張を予定しています。


まず,参加するセミナーはこちら。

知財研セミナー「知財活用の新しい流れ」
http://www.iip.or.jp/seminar/080423.html

「クリエイティブ・コモンズ」と「エコ・パテントコモンズ」は,どちらも現在知財系では最も関心があるもののひとつです。これらをセットで扱ってくれるなんて,参加しないわけにはいきません。しかもどちらも活動の中心にいる方が話してくれます。今からとても楽しみです。

当日は,ちょうど定期的にやっている知財系飲み会の日なので,セミナー修了後,19時から24時くらいまで,セミナー会場近くの飲み屋で飲んでいます。


次に大阪出張ですが,28日に,「くいだおれ太郎」商標権売却記念オフというオフ会をやります。

このところ「くいだおれ太郎」商標権の売却に関するニュースが多数配信されていて,パテントサロンでも紹介しています。

くいだおれ太郎は,5~6年前にその前を1度通ったことがあるのですが,あまり関心がなかったのかよく覚えていません。今回,関連する多くのニュースを読んでいるうちに,パテントサロンの編集者としてくいだおれ太郎を知らなくていいのか,そんなことでニュースを紹介できるのか,という疑問がわいてきました。

また,ニュースによると,ビリケンさんからのアプローチも始まったようです。これはまずい。ビリケンさんは一度も見たことがありません。このままではパテントサロンの更新を続けるなんて到底できません。9年目を迎えたところでパテントサロンの存続に関わる大きな危機が... 大阪行きは避けることができなくなってしまいました。

ということで,この商標権売却をネタに,大阪でオフ会を行うことになった次第です。


他に,少し先ですが,こちらのシンポジウムにも参加します。

知的財産権研究会100回記念シンポジウム
http://www.lexisnexis.jp/seminar/symposium/

このシンポジウムでは,懇親会も予定されているようです。


ということで,これらのイベントで会うことがありましたら,そのときはよろしくお願いいたします。


※関連ニュース

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2008.04.14

宇宙でも特許紛争

日本の大手メディアサイトにはまだ載っていない様なのでパテントサロンには載せていませんが,数日前からこんな記事が出ています。

Boeing Patent Shuts Down AMC-14 Lunar Flyby Salvage Attempt
http://www.space-travel.com/reports/Boeing_Patent_Shuts_Down_AMC_14_Lunar_Flyby_Salvage_Attempt_999.html
通信衛星「AMC-14」の軌道変更作業が座礁、静止軌道へのトランスファ軌道は特許侵害
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200804111940&page=2

「特許制度が悪い」という様な安易なコメントが出ないことを祈ります。あと,ちょうどいい機会なので,宇宙空間や公海上での特許権についてちょっと調べてみよう。

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2008.03.20

悪いやつのパソコンを、金づちで壊す

「ハイテク捜査の知識はないが、明るく、楽しく、一生懸命やるだけです」と話している。
京都府警:初の女性警視誕生 ハイテク犯罪対策室長に
自身は「パソコンは素人。勉強しなくっちゃ」と苦笑するが…
京都府警女性警視、ハイテク犯罪対策室長に就任へ
ただハイテク捜査に必須のパソコンは料理のレシピ調べに使う程度で、猛勉強が必要という。「悪いやつのパソコンを、金づちで壊すわけにはいかないですからね」
京都府警ハイテク犯罪対策室長に女性警視が就任へ

必ずしもトップが技術を熟知している必要は(たぶん)ないし,この京都府警ハイテク犯罪対策室は非常に多くの注目を浴びている組織で,しかも今はダウンロード違法化や非親告罪化のような議論も行われている重要なときである。しっかり考えられた人事であるはずだ。新室長は(たぶん)すごいやり手の方なのだろう。

それはそれとして,事実として上のような発言が流れてしまうと,市民は不安や疑問を抱いてしまう。多くのブログにも表れている。

「京都府警 ハイテク」の検索結果 - Yahoo!ブログ検索

わざわざこんな不安を感じさせるような発言をする必要はない。

ところで,多くの人が不安や疑問をブログに書いている一方で,各メディアの記事を見ると,当局のコメントを載せているだけで,この点について質問したような記載は見あたらない。普通に気になると思うのだが。触れてはいけないことだったのだろうか?

もしかすると,ハイテク犯罪対策室はそれほどたいした組織ではないよ,と市民に思わせて油断させるために…,なんてことはないか。

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2008.03.11

経営者的な観点を持っているか?

「NHKスペシャル 社員みんなで会社を買った ~地方発 “EBO” の挑戦~」を観ました。

NHKスペシャル 社員みんなで会社を買った ~地方発 “EBO” の挑戦~
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080310.html

EBOした後,ゼロからスタートした会社では,経営者と現場の技術者との間で,考え方に相違が生じます。

経営者は,他社にない高性能な製品を開発し,それが完成したら出荷するという方針を立てました。ブランドも実績もない企業が世の中に出ていくためには,他社とは違うものが必要だと主張します。出荷は計画からどんどん遅れていきました。

それに対して現場の技術者は,すでに普通の製品はできているのだから,それで進めていきたい。いま出荷できるものをなぜ出荷しないのか,と主張します。

こんな相違の中,技術者は国際展示会に参加します。そこには,より高性能化した他社の製品がありました。それを見た技術者は危機感を持ちます。このままでは会社はダメだと。そして自ら高性能な製品の開発にトライしていきます。

従業員に経営者的な観点が生まれていく過程が,よくあらわれていました。

経営者でなくても経営者的な観点を持つことはとても重要です。それは知財担当者にとってもいえることで,いま手がけている出願は会社の事業にとってどのような役割があるのか,会社の事業をうまく進めるためには何を対象にどんな調査が必要でどんなマップを作ればよいのか,そもそも会社の事業に対して知的財産はどのように役立つことができるのか,このあたりを意識するかしないかで,知財担当者の価値は大きく変わってきますし,知財担当者にとっても,仕事に対するおもしろさが変わってくると思います(大手企業の知財部門に9年間勤務し,その後独立して零細企業の経営者をやっている私の感想)。

番組は12日(水)深夜に再放送されるようです。興味がある方はぜひ。
http://www.nhk.or.jp/special/rerun/index.html


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2008.03.05

mixi規約改定とipippiにおける著作権の扱いについて

mixiの規約改定騒動ですが,ミクシィはどうしてこんなことしちゃったんでしょうね? こんな改定を突然表明したら,ユーザがどう思い,どんな行動を取るか,想像できなかったんですかね? 私は怖くてこんな大胆なことできません。本当に不思議です。何か全く別の意図があるのではないかと勘ぐりたくなるくらい不思議です。ほんとに不思議。


パテントサロンでも「知財系SNS ipippi(イピッピ)」(http://ipippi.jp/)というSNSを運営しています。ipippiにももちろん利用規約があります。

ipippi利用規約
http://ipippi.jp/normal.php?p=sns_kiyaku

この規約は,いろんなサイトを参考に私が作成したものです。弁護士などプロの人にチェックしてもらったわけではないので不備な点もあると思いますが,2006年2月26日に制定して以来,この規約で運営しています。

このipippi利用規約では,著作権に関して以下の通り定めています。

3.著作権

ユーザがipippiに書き込んだ文章,アップロードした画像などの著作権は,ユーザが保有します(利用許諾を得ていない他人の文章など,ユーザが必要な権利を持たない場合を除く)。

特に括弧書きの部分はもっとスマートな表現があるような気がしますが,とにかくここでは,「著作権はユーザが持つ」ということを明確に定めたかったのです。


ところで,例えば毎年11月に開催されている特許・情報フェア&コンファレンスなど,ipippiの会員でない人にipippiの内容を紹介したい場合があります。しかし,上記規約の下では,ユーザに許可を得ることなくユーザがipippi内で書いた日記などの文章を複製したり公開することはできません。著作権だけが理由ではありませんが,いずれにしてもSNSの内容を人に公開することはそれなりに困難です。

そこで,パテントサロンでは,ipippiとは別に「ipippiデモ版」(http://ipippidemo.jp/)を用意しました。こちらの利用規約はこの様になっています。

3.著作権

ユーザがipippiデモ版に書き込んだ文章,アップロードした画像などの著作権は,ユーザが保有します(利用許諾を得ていない他人の文章など,ユーザが必要な権利を持たない場合を除く)。また,ipippiデモ版運営者は,ipippiデモ版およびipippiデモ版に書き込まれた内容を,ユーザに承諾を得ることなく,不特定多数に公開することができます。

これも今ひとつ文章が美しくないのですが,いずれにしても,ipippiはこれらの規約の下で運営されています。


ところで,今回のmixi騒動の記事を読んで,気になる点が出てきました。

「mixi日記、無断書籍化はしない」――規約改定の意図をミクシィが説明
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/04/news086.html

新条項を追加した意図について、

(1)投稿された日記データなどをサーバに格納する際、データ形式や容量が改変される(ユーザーの著作者人格権《同一性保持権》を侵害する)可能性がある

(2)アクセス数が多い日記などは、データを複製して複数のサーバに格納する(ユーザーの複製権を侵害する)可能性がある

(3)日記などが他ユーザーに閲覧される場合、データが他ユーザーに送信される(ユーザーの公衆送信権を侵害する)可能性がある
(上記ページより)

特に(3)は「可能性がある」というよりも送信されるに決まっているだろ,と思いますが(間違ってる?),それはそれとして,こんなレベルのものまで想定して規約を定めなければならないとすると,ipippiでも問題なりそうな点が出てきます。

例えば,ipippiでは,ユーザが書いた日記などが記録されているデータベースについて,定期的にバックアップを取っています。つまり複製しています。これはユーザの著作権を侵害したことになるのでしょうか?

また,数ヶ月前には,ユーザ数の増加に対応するために,システムをよりパワーのあるサーバに移転しました。このときにも旧サーバから新サーバにデータの複製を行っています。これも侵害したことになるのでしょうか?

どこまで考えたらよいのか,考えなければならないのか。著作権は難しいです。

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2008.02.08

税務調査

弊社に税務調査が入りました。我が社も設立から3年が経過し,そろそろ来るかも知れないと思っていたところです。ちなみに,独立してからはもうすぐ9年,パテントサロンはもうすぐ8年が経過します。

麻布税務署から来た調査官が,丸一日,弊社オフィスに滞在し,帳簿を調べたり,私に質問したりしました。

最初に,我が社の事業内容について説明を求められました。いろいろ聞かれているうちに,話題は特許制度にまで広がっていきました。まさか私が税務調査官に,特許電子図書館を見せながら,実際に検索して公報を見せて,出願公開制度について説明することになるとは思ってもいませんでした。

他には,GoogleのAdSenseや,amazonのアフィリエイトの仕組みなどについて質問を受けました。

さて,調査の結果はどうなるでしょうか?

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2008.02.05

知財戦略コンサルティングシンポジウム 2008

特許庁サイトでも告知されていた「知財戦略コンサルティングシンポジウム 2008」ですが,早くも定員に達し,申し込みが締め切られたようです。

「知財戦略コンサルティングシンポジウム 2008」開催のご案内
http://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/ibento2/h20_chizai_senryaku_sinpo.htm

私も申し込みました。交流会 ネットワーキングパーティにも参加します。当日お会いしましたらよろしくお願いいたします。

「知財戦略」や「知財コンサルティング」は,多くの人が注目しているキーワードですね。知財の人と話をしていると,知財戦略とは何か?とか,これからは出願だけではなくコンサルティング業務もやっていくべきだという様なことがよく話題になります。

また,知財コンサルティング業を新たにスタートする方も多いようで,スタートするにあたり,情報交換がしたいと,パテントサロン編集部に来られる方もいらっしゃいます。最近では,企業の知財部を定年退職または早期退職された方が,それまでの経験を生かして,コンサルティング業を立ち上げるというケースも多いようです。

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2007.12.26

「kwout」。引用に了承は不要!

「kwout」という新しいサービスが始まりました。Webページの一部を画像化して切り取り,引用できるサービスです。

関連するニュース記事にこんな記載がありました(「kwout」で引用してみました)。

このコメントは間違っています。引用は引用元の了承を得ることなく行うことができます。引用に許可は不要です。ユーザが注意しなければならないのは,自分の行為が「引用」に該当するかどうかという点です。この様な著作権的にシビアなサービスを提供するのであれば,このあたりはしっかり押さえておくべきではないかと思います。


ところで,すでに広く利用されているtumblrなどを含め,この種のサービスでは,ユーザの利用内容が「引用」に該当するものであるかどうかについては問題になりそうです。「引用」の要件を満たしていない利用が行われている可能性があります。

これらのサービスでユーザがやりたいことは,「こんな情報があったよ。見てみて!」とか,「こんなに情報集めたよ。すごいでしょ」という様なことだと思います(パテントサロンも同じ)。

この様に利用された場合,引用の要件を満たさなくなりがちです。情報の存在を知らせるだけなら,引用の要件とされている「自分が書いた本文が「主」であり,引用部分が「従」の関係にあること」を満たすほどに本文を書く必要がないからです(というか知らせるだけなら本文はいらない)。

著作権法素人の私が勝手に思うところですが,引用の要件が定められている理由のひとつは,引用部分が「主」になりその量も多くなると,どんどんデッドコピーに近くなってくる。それを防ぐためではないかと思っています。

素人なのでうまくまとめられないのですが,人に情報の存在を伝えること(ときには簡単なコメントを付けて)は,引用とは種類が違うもののような気がしています。読者を引用元に確実にたどり着かせることができる「リンク」も関係しているのでしょう。

このあたりの問題,来年にかけてこれからもっと大きく取り扱われるようになると考えています。

やはりここでも保護と利用のバランスがポイントで,文化の発展に寄与するという目的を見失わないことが最重要なのでしょう(文化?情報?)。

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2007.11.12

インクカートリッジ特許訴訟関連情報をまとめました

先週,キヤノン,エプソンのインクカートリッジ関連特許に関する訴訟の判決がそれぞれ出されました。

それらも含め,インクカートリッジやトナーカートリッジの特許訴訟に関するニュースをまとめました。一部を除き,リサイクルに関する訴訟です。

■インクカートリッジ,トナーカートリッジ特許訴訟
 http://www.patentsalon.com/topics/cartridge/

このまとめのページ,以前から公開していたのですが,今回,リンク切れになっていた判決へのリンクを修正したり,関連ニュースの追加や並び替えを行いました。過去のニュースの多くがリンク切れになっている件はどうしようもありませんが。

自由にご利用ください。

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2007.10.15

Blog Action Day 1 :知財屋として何ができるか?

今日は Blog Action Day 。環境に関する記事を書きます。
環境への取り組みとして,知財屋として何ができるでしょうか?


まずは,紙を減らす,節電する,あたりが最初に思いつきます。特許事務所も企業の知財部も,紙をよく使う職場なので(昔に比べればかなり減ったと思いますが),小さな改善でもそれなりの効果がありそうです。紙への印刷を減らせば,節電効果も出てきます。

このあたりは知財業界に限らず一般的な話です。もう少し知財的に考えてみます。


環境への取り組みは,一個人や一企業ではなく,多くの人間を巻き込んでいくとより効果的だと思います。みんなで共同で取り組むべき問題です。

「みんなで共同で」という観点で知財業界を眺めてみると,オープンイノベーション,オープンソース,クリエイティブコモンズ,などが見えてきました。環境への取り組みに,これらの仕組みを積極的に活用するというのはどうでしょうか。

オープンイノベーションなどでは,営利目的の企業がいかに利益を上げるかという点が大きな課題のひとつだと思いますが,環境への取り組みは,元々収益性が第一の目的ではないので,なじみやすいかもしれません。

法で定められた環境基準をクリアするための技術開発などでは,コストや企業間競争も大きく絡んできますが,それでも企業の社会的貢献という観点から,技術を公開しやすいかもしれません。

事業をどう進めるかは経営者が決めることですが,知財屋として,知財の面から検討・提案することができると思います。


もうひとつ「みんなで共同で」で思い出したのが,ブランド「WiLL」です。

WiLL - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/WiLL

「WiLL」を初めて知ったとき,個人的にかなりショッキングでした。異なる企業の商品に同じ商標が使われているのは,知財担当者的にはなかなか違和感があり,目を引きました。普通の人の注目度もかなり高かったように思います。メディアでも頻繁に取り上げられました。

これと同じようなことが環境への取り組みでできないでしょうか。

今でもエコマークがあります。個々の製品やサービスに対して認定基準を満たすかどうか審査してもらいマークをつけるというものです。

(財)日本環境協会 エコマーク事務局
http://www.ecomark.jp/

私があげているのはこのエコマークとは異なり,複数の企業が共同でブランドを立ち上げ,事業・ビジネス展開に活用していくというものです。環境問題が重要視されているいま,多くの人が注目し,ビジネス的に高い効果が期待できるかもしれません。キャラクターを作ってアニメを制作して,などと考えると,コンテンツ業界の人も巻き込んでビジネス展開できるかもしれません(妄想は勝手に膨らんでいく..)。

環境をネタにビジネスとか金儲けなどというと否定的な声が聞こえてきそうですが,環境問題は,すでにそんなことをいっている場合ではない状態だと思います。「ウソ」は論外ですが,環境への取り組みとして,ビジネス・事業を積極的に利用するべきだと思います。

個人的な感触なのですが,企業の商標担当者の方々は,模倣品への対策などで,特許担当者に比べて企業間のつながりが高い様に思います。企業を超えた共同プロジェクトに取り組みやすい面があるかもしれません。

Blog Action Day 。こんなことを考えました。

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2007.10.05

TVドラマで少しだけ知財。明晩スタート

10月6日から,裁判官が主人公のドラマが始まります。

ジャッジ~島の裁判官 奮闘記~ | NHK 土曜ドラマ
http://www.nhk.or.jp/dodra/judge/
西島秀俊 ドラマ「ジャッジ 島の裁判官奮闘記」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/071004/tnr0710040820003-n1.htm

恭介の前任地は大阪地裁、高度な専門知識を要求される知的財産を扱う部署で、激務の日々を送っていた。その代償として妻は娘を連れ実家に帰り、家庭は崩壊しかけていたのだ。恭介はこの転勤を機にやり直そうと、なんとか妻を説得し島につれて来たのだ。(NHKサイトより)

ということで,ほんの少しだけ知財が出てくるようです。

知財業界で激務の日々を送っている人はたくさんいると思いますが,「その代償として妻は娘を連れ実家に帰り、家庭は崩壊しかけていたのだ」には気をつけたいですね。

明日からまた3連休です。電話もかかってこなくて静かで仕事がはかどるなどといって休日出勤したりせずに,ぜひ家族と一緒に過ごしましょう。

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2007.09.09

ビジネスモデル特許権(?)を担保に融資(?)

私は特許実務の経験はありますが,お金のことはあまり詳しくないので(というよりむしろ苦手),特許権を担保に融資とか特許権の証券化などのニュースを見つけると,それをきっかけに勉強の意味も含めて関連情報を調べることがよくあります。

最近もそんなニュースがあったので,ちょっと調べてみました。ビジネスモデル特許を担保に融資したという記事です。


■記事1
ビジネスモデル特許権を担保に融資 商工中金(2007/9/6)
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20070906/200709060828_2757.shtml
■記事2
商工中金、ビジネスモデル特許担保に融資・岐阜の花卸会社に(2007/9/8)
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070908AT2C0701G07092007.html
■商工中金の発表
株式会社ジャパンプランツに対し、知的財産権を担保に融資
~商工中金で全国初の「ビジネスモデル特許(出願中)」担保融資~
http://www.shokochukin.go.jp/news/nl_gifu_20070905.html


これらのニュースでまず気になったのが,担保の対象となっているのは「特許出願」なのか「特許権」なのかという点です。

記事1では,タイトルはビジネスモデル特許権だし,記事の中にも「商工中金がビジネスモデル特許権を担保とするのは初」という記述があるので,最初は「特許権」だと思ったのですが,「出願中のビジネスモデル特許権」という曖昧な記載や,「現在、特許を出願中」という記載もあり,だんだん「特許出願」が正しいような気がしてきました。

記事2では,「特許権」という言葉は一切出てきません。「出願中のビジネスモデル特許を担保に」とか「仕組みがビジネスモデル特許を取得できると判断し、融資を実行した」という記載もあり,担保の対象は特許出願であるように読めます。

次に商工中金の発表を見てみます。これは当事者が公開している一次情報です。これが最も信用できる情報であるはずです。

タイトルが「商工中金で全国初の「ビジネスモデル特許(出願中)」担保融資」となっています。「本件担保、ビジネスモデル特許出願中」という記載もあります。担保の対象は特許出願のようです。

一方で「知的財産権(ビジネスモデル特許権(出願中)、商標権)を担保として」とか「特許権の中でも「ビジネスモデル特許(出願中)」(※1)を担保として融資を行うのは」など,ちょっと微妙な表現もありますが,全体から見て,担保の対象は特許出願なのでしょう。

ということで,特許権ではなくて,特許出願が担保の対象になっているようです。


次に,対象の特許出願の内容を見てみることにしました。権利化前に担保になるくらいの出願です。これは大いに気になります。ということで特許電子図書館で検索してみたのですが,該当するものを見つけることができませんでした(特許検索をもう少し勉強しなければ...)。

そこで,もう1人の当事者,融資を受けた会社のサイトを見てみました。

ジャパンプランツ
http://www.japanplants.co.jp/home.htm

「特許登録 商標登録」というメニューがあるので,それを選択します。
http://www.japanplants.co.jp/touroku.htm

最も関係していそうな,上から2番目の「生花部門まるごとトラストシステム」をクリックします(「特許出願公開番号 特願2006-326761」という記述が気になりますが)。
http://www.japanplants.co.jp/tokyyo_t_TOP.htm

発明の内容は記事などに書かれているものと似ているようですが...ん? これって公開公報ではなくて出願明細書のコピー!?

サイトには「日本国特許庁 公開特許広報(原文まま)」と書かれてありますが,これは公開公報ではありませんね。しかも出願日が去年の12月なので,まだ出願公開されていないのではないだろうか。書かれてある出願番号を使って検索してみると,はやり該当するデータはありません。まだ出願公開前です。出願公開前の出願の内容を自ら公開しているのです。


担保の対象がこの出願であるとの確認は取れていないし,第三者があずかり知らない事情があるのかもしれません。記事などによると商標権も担保の対象に含まれています。しかし,仮にこの出願が担保の対象になっているとすれば,出願公開前に出願の内容がサイトで公開されたりプレスリリースで流されたりした未だ権利化されていない特許出願を担保に融資が行われたことになります。特許出願にではなく,事業に対して運転資金を1,000万円融資した,に近いのかもしれません。


日々公開されているニュースも,ちょっと調べてみると,それなりに奥が深いことがときどきあります。
 

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2007.05.31

クリエイティブコモンズと商標権 その2

昨日,はてながロゴマークをクリエイティブコモンズ(以下,ccとする)ライセンスで公開したことについて書きました(クリエイティブコモンズと商標権 http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/05/post_d747.html)。

この中で,ccライセンスと商標権の間でひずみが生じるのではないかと述べましたが,このひずみについては,はてなも認識している(or認識した)ようです。本日,以下の文章が公開されました。

はてなロゴの著作権表示等について
http://hatena.g.hatena.ne.jp/hatena/20070531/1180582500

なお、CCライセンス以外の条件を課しているのが不適切ではないか、というご指摘を一部の方から頂いておりますが、株式会社はてなでは「はてな」「hatena」という名称を商標としても登録しているため、このような条件を加えています。ご了承ください。


ところで,はてながccライセンスにプラスαの条件を付けていることについて,Creative Commons Japan が問題視しているのではないかと思ったのですが,そうではないようです。

ロゴをCCで公開
http://www.creativecommons.jp/news/2007/05/30/cc_12.html

プラスαの条件については触れられていませんが,はてなの方針は歓迎されているようです。

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2007.05.30

クリエイティブコモンズと商標権

株式会社はてなが,自社のロゴマークを,クリエイティブコモンズ(以下,ccとする)で公開しました。

※はてなの発表
 はてなロゴのリニューアルおよびクリエイティブ・コモンズライセンスでのデータ公開について
 http://d.hatena.ne.jp/hatenadiary/20070529/1180419796
 はてなロゴマークを使ってみよう
 http://www.hatena.ne.jp/company/logo

※関連ニュース
 はてな、ロゴをクリエイティブ・コモンズで公開
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/29/news068.html
 はてな、新ロゴを発表、クリエイティブ コモンズ ライセンスで公開
 http://japan.internet.com/wmnews/20070529/1.html
 「はてな」ロゴをリニューアル、英語版サービス公開に先駆けて
 クリエイティブコモンズライセンスの画像データ提供
 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/05/29/15870.html


このはてなの方針,商標の実務家から見るとどうでしょうか?(注:私は商標について実務経験がなく,また詳しくもない)。

多くの企業では,ロゴマークの使用については,社内規定等で厳しく管理されています。使用目的のほか,ロゴの色や大きさ,他の文字や画像との間隔などについても細かく定められています。

はてなの方針は全く異なるものです。一定条件の下で,ロゴマークを自由に使用したり,改変することを認めています。

広く使ってもらって親しみを持ってもらおうという趣旨は分かるのですが,ロゴマークが管理下に置かれないことで,だれの商品・サービスであるか混同を生じたり,あるいは普通名称化するおそれが出てきたりしないのでしょうか? 気になります。普通名称化したらそれはそれですごいですが。


また,商標権との関係も気になります。今回のはてなの方針は,ロゴマークの画像についてccライセンスを設定するというものです。一方ではてなは「はてな\Hatena」で商標権を持っていますが,今回商標権のライセンスについては触れられていません。

ロゴマークの画像は一定条件の下で自由に使ってもよいが商標権については言及していない。この状態はひずみを生みそうです。

はてなのサイトの中に以下の記載があります。

このような使い方はできません
他の会社の提供しているブログに、はてなマークをつける
はてなと関係ない他のサービスや他のHPへのリンクに利用する
はてなと関係ないものを販売したり配布したりしているページに、はてなが配っているかのような誤解をされる態様で利用する

この記載によると,私のブログははてな社提供のシステムではないので,ccライセンスの条件を満たしたとしても,このブログにロゴマークを掲載することはできません。

これらのはてなの記載は,ccライセンスにプラスαの条件を付けているわけですが,上述したひずみがあらわれているようです(※関連リンク:はてなロゴマークのライセンス表示がひどい http://iwaim.beering.be/2007/05/post_2.html)。


はてなのロゴマークがどのように使われていくか,そしてその効果は? 今後が気になります。

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2007.05.28

【速報】ストレージサービス違法判決の判決文が公開

5月25日に判決が出され,それ以降話題になっている裁判の判決文が,先ほど公開されました。

平成18(ワ)10166 著作権侵害差止請求権不存在確認請求事件
全文(PDF),別紙1(PDF)

※関連ニュース

  • 音楽ファイルのネット預かりサービスは著作権侵害 東京地裁「業者が複製」
  • 音楽ストレージサービスには音楽著作物の利用許諾が必要~東京地裁
  • 音楽預かりサービスは著作権侵害 東京地裁「業者が複製」
  • サービス会社が敗訴=音楽ダウンロード著作権侵害-東京地裁
  • 音楽保存サービス:ストレージ利用は著作権侵害 東京地裁

    ※ブログ検索
     テクノラティ: 「ストレージ 著作権」のブログ記事検索結果
     Yahoo!ブログ検索 - 「ストレージ 著作権」の検索結果

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    2007.05.07

    KSR事件に関するブログ記事

    以前紹介しましたが,4月30日にKSR事件の判決が出されました。
    http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/05/ksr_2c71.html

    知財業界的には大きなトピックなのですが,一般の人が関心を持つような事件ではありません。メジャーなニュースサイトではほとんど取り上げられませんでした。現在のところ,以下の2つくらいです。

    米連邦最高裁、特許の「自明性」を判定する法的基準の緩和を命じる
    http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20348164,00.htm

    米最高裁、既存の特許の価値を疑問視する可能性がある判定を下す
    http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu07q2/532730/


    一方,重要な判決ということで,知財の専門家などがブログに記事を書いています。前回も少し紹介しましたが,その後に書かれたものも含めて紹介します(順不同)。

    KSR事件 米国最高裁判決 ~103条 非自明性~
    http://kikuma.cocolog-nifty.com/kikublog/2007/05/post_93b3.html

    号外!!米国最高裁判所からKSR事件の判決出る。
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46752825.html

    KSR最高裁判決
    http://akibapat.exblog.jp/5300706

    米国最高裁判決
    http://yetotsu.jugem.jp/?eid=12

    KSR v. Teleflex 米国最高裁の判決
    http://sspo.jugem.jp/?eid=314

    米国最高裁による進歩性判断基準についての判決
    http://www.furutani.jp/news/NL143.html

    waffleな はなし
    http://ntakei.cocolog-nifty.com/pam/2007/05/waffle_02a3.html

    米国最高裁の判決、あるいはようやく正気に戻るか
    http://nihonir.exblog.jp/5604888

    Syllabus of Certiorari, Supreme Court of the U.S.: 2007-4-30 KSRインタナショナル対テレフレックスら事件の米国最高裁判決要旨
    http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/syllabus_of_cer_8cb2.html

    KSR v. TELEFLEX判決速報
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46801691.html

    KSR事件・米国最高裁判決
    http://ogose.air-nifty.com/blog/2007/05/post_3c0e.html

    【KSR事件部分の日本語訳】KSR Int'l Co. v. Teleflex Inc. and Microsoft Corp. v. AT&T Corp.
    http://akibapat.exblog.jp/5324020/

    KSR事件合衆国最高裁判決和訳の試みについて
    http://digital-law.sblo.jp/

    KSR事件最高裁判決分析
    http://ameblo.jp/patent/entry-10032362170.html

    KSR最高裁判決の影響の予想
    http://ameblo.jp/patent/entry-10032672972.html

    KSRv.teleflex後のUSPTO内部の対応
    http://ameblo.jp/patent/entry-10032747411.html

    Patently-O: Patent Law Blog (記事多数)
    http://www.patentlyo.com/patent/

    KSR事件 続報 (米国特許庁のメモ)  ※5月8日追加
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46909268.html 

    KSR判決と日米の特許審査  ※5月12日追加
    http://blog.goo.ne.jp/svpatent/e/5d763fa00ae3528b09cda971ab489e35

    原点回帰−KSR v. Teleflex のはなし  ※5月16日追加
    http://ntakei.cocolog-nifty.com/pam/2007/05/ksr_v_teleflex_fc37.html

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    2007.05.03

    タネが公開されている手品の価値

    「必要以上に種明かしされた」手品師49人がTV局提訴
    http://www.asahi.com/life/update/0501/TKY200705010382.html

    この記事で気になったのが以下の記述。

    手品の種の著作権については文章の形で記述したり、特許申請をしたりするなどして保護しようという試みがある。しかし、コインを使うような古い種は大半が知的財産権の保護期間を過ぎ、保護は困難なのが実情という。

    「手品の種の著作権について特許申請をしたりする」の意味が不明である点とかはおいておくとして,仮に手品の種について特許権を取得できた場合のことを考えてみると,その手品を実施できるのは権利者である自分だけだけれど,発明の内容は公開されていて,手品の種はみんなが知っている,ということになる。

    こんな状況にしようとする「試み」が,本当にあるのだろうか?

    著作権については(私は著作権制度について素人です),そもそも手品の種は著作権の対象になるのだろうか? 手品の種が書かれた文章や記録された映像の複製が問題になるのはわかるが。


    保護できない理由について「知的財産権の保護期間を過ぎ、保護は困難なのが実情」というのもよくわからない。

    特許権について考えてみると,「保護期間を過ぎ」ということは,ある手品の種について過去に誰かが出願して権利を取得し,その後その権利期間が終了したという意味だろうか? そして,この権利期間が終了した特許権について,再度保護を求めようということなのだろうか?

    著作権については,ある手品の種の著作者が死亡して50年以上が経過したということをいっているのだろうか?

    いずれにしても,特許権や著作権についていえば,保護期間が過ぎたものについて保護が困難なのはあたりまえである。というよりむしろ,保護してはいけないのである。それらが所定の期間を超えて保護されることは,産業の発達や文化の発展という各制度の目的に反してしまうことになる。保護と利用のバランスが制度のポイントなのだ。


    それはともかく,手品師の方々にとって,種情報は最も重要な情報だと思います。種情報の流出は死活問題です。一瞬で財産が吹き飛んでしまいます。

    情報の力は絶大です。それを実感した上で,取り扱いについては,細心の注意を払う必要があります。

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    2007.05.01

    KSR事件 米国最高裁判決

    4月30日,非自明性(103条)で話題になっていた,KSR事件の最高裁判決が出されました。

    日本のメジャーなニュースサイトではまだ取り上げられていないようですが(同日に判決が出されたマイクロソフト事件は多数取り上げられている),知財系のブログでは,早速関連する記事が投稿され始めています。目についた記事を紹介します。


    ■最高裁判決に関する記事(順不同)

    KSR事件 米国最高裁判決 ~103条 非自明性~
    http://kikuma.cocolog-nifty.com/kikublog/2007/05/post_93b3.html
    号外!!米国最高裁判所からKSR事件の判決出る。
    http://blogs.yahoo.co.jp/patentblog/46752825.html
    KSR最高裁判決
    http://akibapat.exblog.jp/5300706
    米国最高裁判決
    http://yetotsu.jugem.jp/?eid=12
    KSR v. Teleflex 米国最高裁の判決
    http://sspo.jugem.jp/?eid=314


    ※参考 過去の関連記事(順不同)

    特許制度改革に一石を投じるKSR事件の米連邦最高裁判決(上)
    http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/nara_yoshida20061027.html
    http://chizai.nikkeibp.co.jp/chizai/gov/nara_yoshida20061102.html
    CAFCが確立した自明性判断基準の見直しを迫る最高裁上告請求事件
    http://www.ngb.co.jp/news/2005/051008.html
    非自明性の判断における教示-示唆-動機テスト
    http://knpt.com/contents/cafc/2005.03/2005.03.htm
    米最高裁、特許の「自明性」を審理へ
    http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20331507,00.htm
    米最高裁、特許付与に関する現行の法的基準を痛烈に批判
    http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20333207,00.htm
    特許承認基準の変更を巡り最高裁で論争──マイクロソフトら5社は申立書を提出
    http://www.computerworld.jp/topics/ma/53490.html
    進歩性に関するKSR 事件、連邦最高裁で口頭審理
    ~米各メディアは保護に値しない特許を生む現行基準に最高裁も批判的と報道~
    http://www.jetro.go.jp/biz/world/n_america/us/ip/news/pdf/061130.pdf
    米国特許の非自明性(103条)判断基準
    http://kikuma.cocolog-nifty.com/kikublog/2007/04/post_df00_1.html 

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    2007.04.10

    審査請求できるまで3年待たされる

    4月10日付・編集手帳 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
    http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070409ig15.htm

    ◆120年余りがたった今では、特許の出願件数は年間40万件に達する。出願しても実際に審査を請求できるまで3年待たされる。7年かかった数年前より短縮されたとはいえ、特許取得の道は遠い

    弁理士の遠山先生が書かれている知財ブ